今度こそ、モデルの女の子と待ち合わせ♪

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 男子なら、こんなモデル女子といっしょになってみたいんじゃないんですか?ちょっと、ホラーっぽいんですが…

 「本当のモデル彼女、募集中です!」

 マッチングアプリを使って、強気な情報を発進していた。

 以前彼は、「モデルちがい」の女子に痛い思いをしていた。だから、気持ちが強くなるのも当然か。

 「今度こそ!今度こそ、良い出会いを!」

 見知らぬ相手からの返信は、意外に早くやってきた。

 「それなら、私と会ってみませんか?私、プラモデル女子なんです。コーディネート系なら、フルにがんばっちゃいます」

 ふうん…。

 それなら会ってみるかと、立ち上がる彼。

 「何ごとも、仮組みは大切だもんな…」

 何気なく、使い慣れていた用語を使っていたのがにくいところ。

 待ち会わせ場所は、前回のような失敗を考え、今度は彼のほうから指定していた。

 今回の待ち会わせ場所は、彼が何度か利用していた喫茶店「リコ」。

 それにしても…、驚いたのなんの。

「まじか!」

 彼よりも、彼女のほうが先に、待ち合わせ場所にきていたのだ。

「…この子、やるなあ!モデル愛が、高いのかな?」

 「リコ」の前に立っていたのは、馬こそつれてはいなかったが、重いジャケットを着てテンガロンハットをかぶる外国映画のカウボーイさながらの女性。

 運の良いことに、 2人の付き合いは長く続いた。

 「マッチングアプリで知り会うのも、良いもんじゃないか!」

 大満足の彼。

 「もう、仮組みの愛は終わりだ!」

 彼は彼女に、いよいよ、愛の気持ち伝えることになった。

 「オレ…、君のことが好きだ!君は、オレにとって…世界最高の…愛のモデルなんだ」

 「…ありがとう」

 モデル愛は、究極のフィナーレとなりそうな予感!

 「オレ…。これからも、ずっと君といたいんだ…」

 彼が言うと、彼女はにっこり。

「そうまで言ってくれるなんて!私、うれしいな!脱ぐわよ~!」

 彼女は、彼の目の前で、次々に「脱ぎはじめた」。

 ドキッ!

 「まずは、右腕を外して~♪ああ、肩こっちゃうよね~」

 ドキッ!

 「右足も、外して~♪」

 ドキッ!

 ついに、自身の「頭」まで取り外しはじめる彼女。

 ペンチとニッパーを手に、彼の身体を見つめながら言ってくる。

 「今日からあなたが、私の左腕とか左腕のパーツになってね?これからもずっと、私といようよ…」

 「結局、それか~!」

 プラモデル女子、大人気らしいっす。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

今度こそ、モデルの女の子と待ち合わせ♪ 冒険者たちのぽかぽか酒場 @6935

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ