第2話
「ふわぁぁああ」
僕は全身を覆うことができるほどの
雰囲気はさながら不審者。右目の眼帯も含めば裏社会の人間だと思われてもしょうがない。
背が高い机に肘を立て、手に顎を乗せながら鼻歌を歌っている美少女、スカーレットがいた。
尻尾から見るにご機嫌だ。
「お待たせ」
「・・・おそい」
「ごめんごめん。じゃあ行こうか。今日は食べたいものを食べさせてあげる」
「やった!!」
・・・・こういうところは年相応なんだよなぁ。
スカーレットの年齢は・・・・知らない。
引き取ったときの容姿が9歳前後だったから、今は13歳前後ってとこかな?
それにしては成長が早いなぁ・・・・・心底、羨ましい。
長寿種の代表格であるエルフの義妹や比較的短命の者が多い獣人の義妹を見てきたからよくわかるけど、人間以外の種族って、成長する時期がバラバラなんだよなぁ・・・・
まぁ、僕も言えた口じゃないんだけど・・・・
龍人はエルフに匹敵、又は凌駕するほどの長寿種。
平均年齢数百歳は控えめに言ってズルいと思う。
この数カ月ですっかり顔なじみになった宿屋の老主人に会釈をした後、僕たちは宿屋を出る。
今日は快晴。
まぁ・・・帝国の、土地の気候柄を考えれば妥当なんだけど・・・・
「何か買いたいものはあるかい?恥ずかしい話、誕生日プレゼントを用意できなくてね」
「はい、嘘ォ。・・・・新しい武器と防具が欲しい。それと装飾品も」
「・・・・多くないかい?」
「嘘つきには十分な措置」
おかしいなぁ、サプライズプレゼントはちゃんと隠したはずなんだけど・・・・
「アタシに隠し事は不可能」
「・・・心を読むのは止めよう」
「い・や・だ」
スカーレットは僕に向けて、いたずらっ子な笑みを浮かべる。
まぁ、この子が笑顔ならいいか。
引き取ったときよりも笑うようになった。いいことだ。
「あ、あと受けたい
「危険じゃなければいいよ」
「大丈夫、二人でやれば・・・・多分ダイジョウブ」
「怖い間があるなぁ・・・・」
そんなこんなで話しているうちにギルドワーカー御用達の店に到着した。
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