仲直り

昼休み、一緒にお昼ご飯食べる人もいなかったので、ぼーっと食堂でご飯を食べていると、

「こんっのばか。」

急に後ろから人が飛びついてきた。

「もう、結衣のばか。味噌汁こぼれるじゃん。」

モチロン、後ろから飛びついてきた人は東雲結衣、私のにっくき幼馴染である。

さんざん私のことをコケにしまくるくせにぃぃ。

「めいり、ありがとう。」

小声で後ろからそうささやかれる。

耳がぼわっとあかくなるカンジがする。

「わぁぁ、めいりがめっずらしく照れてる~!!

超絶ずぼらであの鈍感なめいりが~。」

やっぱり、いつもの結衣だったヨ。

「でも、まぁ一件落着ってことでいいでしょ?」

「そーだね、今回は。ってかさ、あの例のメッセージこっちで解けたんだけど。

家帰ってから一緒に見ない?」

え、あの例のシキガミエンゲキハンってやつからきた手紙?

「マジ?めっちゃすごいね、結衣は。流石、私のミギウデだね。」

「いつからウチはあんたのミギウデになったんだよっ!」

「っていうか、めいりが私のヒダリウデでしょ?」

「え?ってことはミギウデとヒダリウデなら、最強タッグの完成だね。」

「ま、いいよ、中学言っても最強のタッグ組んでやろうじゃない。」


私のボケに見事突っ込みを入れてくれる結衣ちゃんなのでした。

まぁ、まさかこの後ほんとに結衣が私のミギウデになるとは思いもしなかったんだけど。


二人でダッシュで家まで帰り、私はランドセルを玄関にほうりなげて

結衣の家へ直行。モチロン私のタブレットも忘れずに。

またまた「せーのっ」でアプリのメッセージを開くと、

「見えてる…。モジバケしてない…。」

私のも結衣のもモジバケしてない!?

「なんて書いてある?」

二人で結衣のタブレットをのぞき込みじっくりと読んでいく。


式神演劇班 次代脚本家・次代補佐へ次ぐ。

泉めいりと東雲結衣へ

やぁやぁ、めいりちゃん、僕の奴特製のミニミニミニメモ帳使ってたかい?


 ゲ、昨日の人だ。


僕は先代脚本家のうぅん、昨日と統一して

授業勝手に抜け出し男だ。


「え、何。めいり、コイツと会ってたの?」

結衣の視線がイタイ…。

どうやら結衣もこの人のことを知っているらしい。

まぁ、はとこだからそれもそうか。


えっと、公立静蘭学園中等部生徒会副委員長です!

さてさて、きっとふたりのおじょーさまはさぞかしこの手紙に不信感を覚えていると思うんだけど、式神演劇班とは、

まぁ、シキガミの能力を使って人の心をこじ開ける、そういう演劇班のことだよ。

静蘭学園伝統のというか秘伝の特殊部隊。

で、君たち二人はそれのアトツギなのだよ。

まぁ、それ以外のことは先輩が教えてくれるから。楽しみに待っててね。

式神演劇班 先代脚本家 紫雨より。


んにゃ、ぜんぜんわかんないって

「めぇいりぃ、なんか隠してることあるでしょ。」

隣を見ればおっそろしいカオをした結衣…。

「い、いやぁぁ、何にもかくしてないよぉぉ?」

「いや、絶対会ってるよね?ウチのはとこに。」

見事にバレてた…。

「はい、すみません、あってます。結衣と喧嘩した日に。」

「だよねーだよねー。あいつめ…。」

なんか、すっごくオンネンがこもってるみたいだけどキノセイ、きのせい。

「まぁまぁ、それで結衣は式神演劇班について何か知ってるの?」

知ってるんだったら早く教えてっ!!

「いや、何にも知らない。っていうか始めて知った。」

マジか~…。絶対知ってると思ったんだけどなぁ。

「でもねぇ、あの、バカ紫雨の居場所なら知ってるよ。ってことで、めいり、問い詰めにいくよ!これはどういうことかってね!」

いつになく乗り気な結衣…。

これはゼッタイにまともなことがナイような気がする。

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