第十二話:蟲惑蜘蛛<ミュルス>


深淵の誘い

森の奥深くで十体目の守護者を倒してから三日が過ぎていた。正嗣は相変わらず淡々と森を歩き続けている。膠質巨体グリソムとの戦いで得た鋼化の能力は、既に彼の戦闘スタイルに完全に組み込まれていた。

重力操作で敵を拘束し、俊敏性で間合いを詰め、鋼化した拳で粉砕する。痛みを感じても表情一つ変えず、傷を負っても再生能力で修復する。まるで精密に調整された戦闘マシンのような動きだった。

「この先に十一体目がいる」

夢の中でリュティアが告げた場所は、森の中でも特に異質な領域だった。木々が螺旋状に捻れ、枝という枝に蜘蛛の巣のような白い糸が張り巡らされている。空気は粘つくように重く、甘ったるい腐臭が漂っていた。

正嗣は足を止め、空間把握の能力を展開した。しかし、いつもとは違う。空間の情報が歪んでいる。距離感が狂い、方向性が定まらない。

「妨害されている」

冷静に分析する。これまでの守護者とは明らかに性質が異なる。環境そのものに干渉する能力を持っているのだろう。

正嗣は重力操作で身体を浮上させ、樹上から全体を見渡そうとした。その時だった。

ビチャリ

顔に何かが触れた。粘つく感触。手で払おうとすると、それは糸だった。蜘蛛の糸が顔に張り付いている。

「上からか」

見上げると、木々の間に巨大な影が蠢いていた。人間ほどもある蜘蛛が、八本の脚を器用に使って枝から枝へと移動している。腹部には禍々しい紫色の模様があり、八つの複眼が虹色に光っていた。

蟲惑蜘蛛ミュルス。十一体目の守護者である。

糸の罠

ミュルスは正嗣を見つめると、口から細い糸を吐き出した。その糸は空中で複雑に絡み合い、見る見るうちに巨大な蜘蛛の巣を形成していく。しかし、その網は普通の蜘蛛の巣ではなかった。

糸の一本一本が微細に振動し、まるで楽器の弦のような音を奏でている。その音は不協和音でありながら、どこか人を惑わせる旋律を持っていた。

正嗣は重力操作で一気に距離を詰めようとした。しかし、蜘蛛の巣に近づくにつれて、視界が歪み始める。真っ直ぐ飛んでいるはずなのに、気づくと別の方向に向かっている。

「幻覚か」

空間把握で自分の位置を確認しようとするが、情報が錯綜している。どこが本当の自分の位置なのかわからない。

その隙に、ミュルスが動いた。八本の脚で巧妙に蜘蛛の巣を駆け抜け、正嗣の背後に回り込む。鋭い脚が正嗣の肩口を狙って振り下ろされた。

正嗣は咄嗟に身体を鋼化させる。しかし、ミュルスの脚は予想以上に鋭く、鋼化した皮膚を容易く貫通した。

「ぐっ...」

痛みが走る。だが、それ以上に奇妙な感覚があった。傷口から何かが体内に流れ込んでくる感覚。毒だろうか。

正嗣は重力操作でミュルスを吹き飛ばそうとした。しかし、重力の方向がおかしい。上下左右の感覚が狂っている。重力を下向きにかけたつもりが、横向きにかかってしまう。

ミュルスは吹き飛ばされることなく、器用に蜘蛛の巣を利用して正嗣の周りを駆け回った。そして再び脚を振るう。今度は脇腹を狙って。

正嗣は俊敏性を発揮して回避しようとしたが、身体の動きがぎこちない。筋肉が思うように動かない。先ほど注入された毒の影響だろう。

脚が脇腹を掠め、浅い傷を作る。また毒が注入される。

「このままでは...」

正嗣は冷静に状況を分析した。相手は直接的な攻撃力ではなく、状態異常による戦闘能力の削り合いを狙っている。時間が経てば経つほど不利になる。

風翼鳥の能力で空中に逃れようとするが、上下の感覚が狂っているため、思った方向に飛べない。かえってミュルスの巣に絡まってしまう。

糸が身体に巻き付く。その瞬間、より強い幻覚が正嗣を襲った。

幻惑の迷宮

正嗣の視界が激しく歪んだ。森の風景が溶けるように変化し、気がつくと彼は見知らぬ場所に立っていた。

そこは地球の戦場だった。アフガニスタンの山岳地帯。砂埃が舞い上がり、遠くで爆撃音が響いている。懐かしい光景。しかし、これは幻覚だと正嗣は理解していた。

「幻覚だと分かっていても...」

視覚、聴覚、嗅覚、すべてが本物と変わらない。脳が現実として認識してしまう。

幻覚の中で、正嗣の前に一人の男が現れた。顔に傷のある中年の男。正嗣の元部隊長だった男だ。

「よう、正嗣。まだ生きてたのか」

「お前は死んだはずだ」

「そうだな。お前が見殺しにしたからな」

部隊長の顔が崩れ始める。血を流し、肉が削げ落ちる。正嗣が最後に見た、爆撃で吹き飛ばされた時の姿に変わっていく。

「なぜ助けなかった?なぜ逃げた?」

正嗣は首を振った。これは幻覚だ。罪悪感を利用した精神攻撃に過ぎない。そう理解していても、心の奥で何かがざわめいている。

現実に戻ろうと意識を集中させる。森の感覚を取り戻そうとする。その時、背中に激痛が走った。

幻覚の中にいる間も、現実ではミュルスの攻撃は続いていたのだ。意識が分散している隙に、さらに多くの毒を注入されていた。

正嗣は幻覚から抜け出ようと必死に意識を現実に向けた。しかし、毒の影響で集中力が削がれる。現実と幻覚の境界が曖昧になっていく。

毒の侵食

現実に意識を戻した正嗣の身体は、既に複数の傷を負っていた。肩、脇腹、太もも、背中。傷口からは紫色の液体が滲み出ている。毒だった。

身体の自由が徐々に奪われていく。指先から痺れが始まり、腕全体に広がっていく。呼吸も浅くなり、心臓の鼓動が不規則になった。

ミュルスは正嗣の状態を確認するように、少し距離を取って様子を見ている。複眼が虹色に明滅し、まるで獲物の苦しみを楽しんでいるようだった。

「再生能力では...毒は中和できないか」

正嗣は鉄鱗熊から得た再生能力を最大限に発動させた。傷口は徐々に塞がっていくが、既に体内に回った毒までは排除できない。

ミュルスが再び動いた。今度は正面から堂々と近づいてくる。正嗣の戦闘能力が大幅に低下しているのを察知しているのだろう。

正嗣は重力操作でミュルスを地面に叩きつけようとした。しかし、毒の影響で能力のコントロールが効かない。重力の強さも方向も思うようにならない。

ミュルスは軽々と重力の影響を回避し、正嗣の懐に飛び込んできた。八本の脚が一斉に正嗣を狙う。

正嗣は俊敏性を発揮して回避しようとしたが、身体が思うように動かない。四本の脚による攻撃をかわすのがやっとで、残りの四本が確実に身体を捉えた。

胸部、腹部に深い傷が刻まれる。鋼化で防ごうとしたが、反応が遅い。毒が神経系統に影響を与えているのだ。

「がっ...」

大量の毒が一度に注入された。正嗣の意識が朦朧とする。視界がぼやけ、聴覚も曖昧になる。

ミュルスは攻撃の手を緩めない。正嗣が倒れかけているのを見ると、追撃とばかりに連続攻撃を仕掛けてきた。

八本の脚による連打。正嗣は防御も回避もままならず、ただ攻撃を受け続けるしかなかった。

ザクザクザクザク

容赦ない攻撃が正嗣の身体を切り刻む。血が飛び散り、服が破れ、皮膚が裂ける。そのたびに毒が注入され、正嗣の戦闘能力はさらに低下していく。

絶望の淵

正嗣は地面に倒れ込んだ。全身に無数の傷を負い、大量の毒が体内を巡っている。呼吸は浅く、心臓の鼓動も弱々しい。

ミュルスは勝利を確信したのか、正嗣の頭上で脚を振り上げた。最後の一撃を加えようとしている。

正嗣は朦朧とする意識の中で、これまでの戦いを振り返った。重力狼、霧虎、螺旋蛇...すべての守護者との戦いで、彼は勝利してきた。しかし、今回は違う。

毒による身体の麻痺、幻覚による認識の混乱、すべてが彼の戦闘能力を無力化している。これまでのような力技での突破は不可能だった。

「このまま死ぬのか...」

その時、正嗣の脳裏に一つの考えが浮かんだ。これまで彼が使ってきた能力、それらを組み合わせれば...

ミュルスの脚が振り下ろされる。しかし、正嗣の姿が掻き消えた。

隠密能力だった。霧虎から得た能力を、毒で朦朧とする意識の中で発動させたのだ。

ミュルスは困惑したように周囲を見回した。獲物が消えてしまったのだ。

正嗣は隠密状態を維持しながら、慎重に距離を取った。身体の自由は利かないが、意識だけは必死に保っている。

「感知能力も使えない...毒で集中できない」

しかし、正嗣にはまだ手がある。森霊鹿から得た植物操作の能力だ。

正嗣は残された意識を総動員して、周囲の植物に働きかけた。木の根、蔦、苔...森のすべての植物が正嗣の意思に反応する。

ミュルスが正嗣を探している隙に、無数の蔦が地面から伸び上がった。それらはミュルスの脚に絡みつき、動きを封じようとする。

しかし、ミュルスの脚は鋭い刃物のようになっており、蔦を簡単に切り裂いてしまう。植物操作だけでは足りない。

反撃の糸口

正嗣は隠密状態を維持しながら、必死に対策を考えた。毒の影響で思考も鈍くなっているが、冷静さだけは失わない。それが彼の最後の武器だった。

ミュルスの能力を分析する。幻覚、毒、そして蜘蛛の糸による拘束。しかし、それらの能力にも弱点があるはずだ。

「糸...そうか」

正嗣はミュルスが張り巡らせた蜘蛛の巣を観察した。あの糸は確かに幻覚を発生させるが、同時にミュルス自身の移動経路でもある。

空間把握の能力を必死に集中させる。毒の影響で情報は歪んでいるが、完全に無効化されているわけではない。糸の振動パターンを読み取れば、ミュルスの位置を特定できるかもしれない。

正嗣は息を殺して糸の振動を感じ取った。複雑に絡み合った糸の網の中で、一定のパターンを持つ振動がある。それがミュルスの動きだった。

「見つけた」

正嗣は重力操作を発動させた。しかし、毒の影響でコントロールが効かない。そこで、彼は別の方法を取った。

重力を自分自身にかけるのだ。自分の身体を弾丸のように加速させ、ミュルスに突撃する。方向がずれても、最低限の軌道修正は俊敏性でカバーできる。

正嗣は隠密を解除すると同時に、重力加速で一気にミュルスに向かった。毒で身体は思うように動かないが、重力による推進力は確実にミュルスとの距離を縮める。

ミュルスは突然現れた正嗣に驚いたが、すぐに迎撃態勢を取った。八本の脚を正嗣に向けて構える。

しかし、正嗣の狙いは直接攻撃ではなかった。

毒には毒を

正嗣はミュルスに突撃する直前で軌道を変えた。目標はミュルス本体ではなく、その周囲に張り巡らされた蜘蛛の糸だった。

身体を鋼化させた正嗣は、糸の網に突っ込んだ。糸が身体に絡みつくが、それは計算済みだった。

「植物操作...発動」

正嗣は自分に絡みついた糸を通じて、ミュルスに逆流させるように植物の毒素を流し込んだ。森霊鹿の能力には、植物の毒素を操作する力も含まれていたのだ。

ミュルスは自分の糸を通じて毒素が逆流してくるのを感じ取り、慌てて糸を切り離そうとした。しかし、既に遅い。

植物由来の毒素がミュルスの体内に侵入する。ミュルスが正嗣に注入していた毒とは異質な、自然界の毒だった。

ミュルスの動きが鈍くなる。複眼の光も弱くなり、幻覚効果が薄れていく。

正嗣はその隙を逃さなかった。重力操作でミュルスを地面に押し付け、俊敏性で一気に接近する。

「今度はこちらの番だ」

正嗣は鋼化した拳をミュルスの頭部に叩き込んだ。毒の影響で威力は落ちているが、それでもミュルスにダメージを与える。

ミュルスは慌てて反撃しようとしたが、植物毒の影響で動きが鈍い。正嗣の攻撃を完全には回避できない。

しかし、ミュルスも必死だった。残された力を振り絞って、正嗣に毒針を突き刺す。正嗣の腹部に深々と毒針が刺さった。

「ぐあっ...」

さらに大量の毒が注入される。正嗣の意識が再び朦朧とする。しかし、今度は違った。ミュルスも同じように毒の影響を受けている。

毒の相互作用

正嗣とミュルスは、共に毒の影響で苦しんでいた。正嗣は蜘蛛の毒で身体の自由を奪われ、ミュルスは植物毒で動きを封じられている。

しかし、戦いは続いていた。両者とも必死に相手を倒そうとしている。

ミュルスは最後の力を振り絞って、正嗣を蜘蛛の糸で雁字搦めに縛り上げた。糸が正嗣の全身に巻きつき、身動きが取れなくなる。

「このまま...絞殺するつもりか」

糸が徐々に締まってくる。呼吸が困難になり、血流が阻害される。毒の影響と相まって、正嗣の意識は急速に薄れていく。

しかし、正嗣はまだ諦めていなかった。最後の手段があった。

「空間把握...螺旋蛇の能力」

正嗣は螺旋蛇から得た空間把握能力を極限まで研ぎ澄ませた。毒の影響で情報は歪んでいるが、自分の身体の状態だけは正確に把握できる。

糸がどこでどのように身体に巻きついているのか、どの部分が最も弱いのか、すべて分析する。

「ここだ」

正嗣は重力操作を身体の一点に集中させた。糸の結び目の部分に、極小範囲で強烈な重力をかける。

糸が耐えきれずに切れた。一箇所の結び目が切れると、連鎖的に他の糸も緩んでいく。

正嗣は拘束から逃れると、最後の力を振り絞ってミュルスに突撃した。俊敏性、重力操作、鋼化、すべての能力を同時に発動させる。

ミュルスは迎撃しようとしたが、植物毒の影響で反応が遅い。正嗣の拳がミュルスの頭部を直撃した。

バキッ

ミュルスの外殻が砕け、緑色の体液が飛び散る。しかし、まだ完全に倒れない。残された脚で正嗣を薙ぎ払おうとする。

正嗣はその攻撃を俊敏性で回避し、再度攻撃を加えた。今度は腹部を狙う。鋼化した拳が腹部の模様の中心を貫いた。

ミュルスの動きが止まった。複眼の光が消え、八本の脚が力なく地面に落ちる。

能力の継承

ミュルスの身体が光の粒子に変わり始めた。いつものように、守護者が倒された証拠だった。

光の粒子が正嗣の身体に吸い込まれていく。新たな能力が彼の中に宿る。

状態異常操作。対象の感覚、認識、身体機能に干渉する能力。毒、麻痺、混乱、幻覚などを自在に操ることができる。

正嗣は新たな力を感じ取りながら、自分の身体の毒を中和した。状態異常操作の能力により、毒の効果を無力化することができたのだ。

身体の自由が戻り、意識もはっきりとしてくる。傷は再生能力で徐々に癒えていく。

しかし、正嗣の内面ではまた別の変化が起きていた。

冷徹な分析

戦闘が終わった後、正嗣は今回の戦いを振り返った。しかし、その思考は以前にも増して機械的だった。

「状態異常系の攻撃は効果的だ。相手の戦闘能力を段階的に削ぎ、最終的に無力化する。直接的な攻撃よりも確実性が高い」

恐怖や痛みに対する感情的な反応はほとんどなかった。ミュルスの毒で死にかけたことすら、単なるデータとして処理している。

「植物毒との組み合わせは有効だった。相手の能力を利用した逆転戦術。今後も応用できる」

正嗣は新たに得た状態異常操作の能力を試してみた。手近な昆虫に軽い麻痺を与えてみる。昆虫は動きを止め、やがて意識を失った。

「コントロール性も良好。威力の調整も可能」

彼の思考は完全に戦術的なものになっていた。相手をどう無力化するか、どう効率的に倒すかということしか考えていない。

人間らしい感情、恐怖や怒り、安堵や喜びといったものはほとんど感じられなくなっていた。あるのは冷静な分析と、効率性を重視する思考パターンだけだった。

森の変化

正嗣が立ち上がると、周囲の森の様子が変わっていることに気づいた。ミュルスが張り巡らせていた蜘蛛の糸は消え、木々の捻れも元に戻っている。

森は静寂に包まれていた。鳥のさえずりも虫の音もない。まるで森全体がこの戦いの結末を見守っていたかのようだった。

正嗣は状態異常操作の能力を使って、周囲の生物の状態を探った。多くの小動物が恐怖で隠れていることがわかる。彼の存在そのものが、森の生物にとって脅威となっているのだろう。

「効率的だ」

正嗣はそう呟いた。恐怖で他の生物が近づかなければ、移動中に邪魔される可能性が減る。戦略的に有利な状況だった。

彼はもはや森の一部として調和する存在ではなく、森を支配する捕食者となっていた。そして、そのことに対して何の感情も抱いていなかった。

次なる標的

正嗣は森の奥に向かって歩き始めた。十一体の守護者を倒し、残すは最後の一体。十二体目の守護者を倒せば、いよいよこの森の主であるグラディア・ノクスとの邂逅が待っている。

歩きながら、彼は新しい能力の応用方法を考えていた。状態異常操作は攻撃だけでなく、防御や支援にも使える。自分自身の身体機能を一時的に向上させることも可能だろう。

「次の守護者への対策も立てやすくなった」

相手がどんな能力を持っていても、状態異常で戦闘能力を削げば対処しやすくなる。毒、麻痺、混乱、幻覚...相手に応じて最適な状態異常を選択すればいい。

正嗣の思考はもはや完全に戦術論に特化していた。人間らしい感情や倫理観はほとんど残っていない。あるのは目標達成への効率的な手段を模索する、冷徹な計算機のような思考だけだった。

森の奥から微かに風が吹いてきた。それは最後の守護者の気配を運んでくるようだった。正嗣は表情一つ変えずに、その方向へと歩き続けた。

夕日が森の向こうに沈んでいく。一日がまた終わろうとしていた。しかし、正嗣にとって時間の経過は単なる数値でしかなかった。彼の中で人間性はさらに薄れ、純粋な戦闘マシンとしての側面が強くなっていく。

十一体目の守護者を倒した正嗣は、着実に森の主との対面へと近づいていた。しかし、それと引き換えに失ったものの大きさに、彼自身はもう気づくことはないだろう。

森は静寂の中で、この変化を見守り続けていた。

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