どこに行っても生きることには変わらない
ラベンダーの花畑
第1話
自分は生きていることがそのまま恥だと思う。
自分の存在そのものが自分の人生の汚点だとはっきり信用できる。
少なくとも、今までの人生は何かに振り回され続けて、自分もそれにそこまでの反抗はせずに生きてきた。大抵の人間はそうかも知れないが振り回される対象があんまり良くなかった。
まず、前世ではそこまで裕福ではない家庭に生まれた。ここまではまだまだ順調である。
少なくとも、公立の普通高校に通うことができ、毎日とまでは行かずとも健康上の理由で退学になったりしなかった時点で、生きるのに不便なレベルで金がなかったわけではなかった。
これだけ聞けばまさに順調という感じだ。順調だとは思えない人もいるかもしれないが、順風満帆と順調は違うのだ。それなりの人生が望めている時点で順調ではある。
問題は、親の性格と言ったらいいのか、人格と言ったらいいのか、そもそも遺伝なのか、そういう要素だった。
少なくとも、母は自分の思うように子供の人生を進めようとした。しかも便宜上は子供が自分で選択をして選んだという事にして、責任まで取らせてくるという感じだった。
高校選びの時にそうだった。今でも、中学生なんて経験も脳みそも足りてないんだからそんなの無理だろと思っている。大学もまあそうなりそうだった。その前にたまたま死んだが。何故か辺りがずっと白い。暇だ。
正直、こちらからすれば、たった18年とか17年の時点で自分の人生とその将来に責任を持たされるとかただのホラーである。その分まあ少なくとも全員悩みはしている。
けど、行政ですら死にかけたら補助をくれるのだ。死ねとは言われない。なんなら生きろとまでいかずとも、金をくれたりする。
母は、不倫はするし子供の食べ物は作らずにほったらかしだったりすることがまあまあよくあった。正直偶に行政の網目に引っかかればまだいい生活が望めたんじゃないかとは思っていた。
父は、そういう状況を知っていたのか知らなかったのか、まあ少なくともずっと放っておかれてはいた。
母の話をどこまで信用していいのかよく分からないが、父が金をよこさないせいで私はかなり小さい頃大して食べ物が食べれていないらしい。結局離婚になった。どうしようもないから母について行った。
まあ、小学生のあたりはお腹をすかせていた記憶しかないのでその辺りはまあ信頼してもいいだろう。
正直、自分は生きているだけで恥だと思う。どうしたって性格は環境と遺伝から作られる部分が大いにあるだろう。クズの子供はまたクズだ。自分がいい人だとか言われてもあんまりにも見る目がないとしか思えない。それも含めて恥だ。
その辺何故か全く関係なく死んだが。
ちなみに死因は覚えていない。自分の意識は非常に都合がいいようである。自殺でも他殺でもなかったことだけは確かである。すべての死は他殺であるみたいな事もあるかもしれないが今回はそういう意味合いではない。
「すいません!おまたせしました!」
人の声がする。耳あるのかこれ。目もあるんだろうなまあ。辺りは白いから。見えてはいるから。
「こちらの手違いで遅くなってしまいました!転生案内です!すいません!おまたせしました!こちらの…」
なんということだ。声しか聞こえない。高い女性の声がする。多分これ人によっては不評だろ。こういう時は天使とか見えても別に良さそうなのに。っていうか喋れるのかこれ。
「あ」
喋れた。
「あ!聞こえてますね!じゃあ急いでやりましょう!希望はありますか?!?!」
「えっとサンプルはありますか」
「はい!!探してきます!!」
「あ 探さなくていいので 覚えてる限りで
ざっくりとお願いします」
探したらまあいくらでも遅くなりそうである。
「えーっと…ポイント制で転生先を決められます!割と徳が高めなのでとりあえず人間らへんが選べますよ!」
「じゃあそれで」
「後は…大体3歳くらいからスタートになってます!赤子からだと精神を病むケースが多すぎたので!」
「じゃあそれで」
「後は何でも!好きなように選べます!!」
「じゃあちょっと考えます」
こういうときに望むべきものはなんだろう。それか自分が望むものはなんだろう。割とちゃんと考えてみて、自分でもよく分からないものを選べばいいんじゃないかと思った。そうすれば大事故は防げそうである。
「決めました。自分が一番好きな見た目にしてください。後、自分が前世で嫌だったことからなるべく遠くしてください。」
「わかりました!一応、転生後の1回ステータスのようなものの確認ができます!」
「わかりました」
なんで一回なんだろう。
「それでは!今までとは違った異世界へ行ってらっしゃいませ!」
「えっ」
異世界なの?流石にもう少し事前情報が欲しいかった。辺りがだんだん暗く、というよりは黒くなる。だんだん眠くなってきたから寝た。
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