ある夏の日に自分に戻る

古 散太

ある夏の日に自分に戻る

ある夏の宵闇せまる町外れ

今日という日の終わり見つめる


川からの冷たい風が心地よく

蝉しぐれさえなかったように


足を止め彼方の山を眺めれば

幼いころの自分に帰る


向日葵が背伸びで見てる子供たち

その中でぼくは郷愁に沈む


ただずっと駆けて笑った畔の道

幸せの意味 今頃気づく


夕空を見上げて吐き出すため息は

トンボとともにあの夏の空


ネクタイをすこしゆるめて赤とんぼ

飛び去る姿に明日を見つめる


あの頃の自分を重ねて今ここに

家族の元へ帰る夕暮れ


不安なく生きてたあの夏忘れずに

我が子の声に微笑み浮かべる

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ある夏の日に自分に戻る 古 散太 @santafull

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ