短歌賞1首部門応募作

月越瑠璃

りんご飴透き通る赤固い壁辿り着かない告白も赤

ひとつずつ抜け落ちた羽根かき集め金曜の宵無敵の鳥に


忙殺の奥に続いた日常に興を見出す幼い瞳


休日の目覚ましのない一日に光と闇が天井を見た


デスク上淹れたて香るコーヒーは点いた部屋での決意の証


木洩れ陽が地面に刻むまだら道踏みて進む子遠くまで行き


夢をみるここが自分の舞台だと高層ビルの障害灯下


りんご飴透き通る赤固い壁辿り着かない告白も赤


指先が画面を滑る午前二時明るい外にあくびがふたつ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

短歌賞1首部門応募作 月越瑠璃 @tsukikoshiruri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

参加中のコンテスト・自主企画