第9話 暴君
「雄一郎……!?」
金髪の男、金色の暴君クロノニグケドールは田守龍希の幼稚園からの幼なじみで大親友。一緒に育成学校に通っていたが、忽然と姿を消していた。
「雄一郎ってお前!なんでどこか行ってたんだよ、心配してたぞ?」
髪をかきあげて汗をかきながら言いずらそうに上を見上げる
「いや〜、ちょっとやらかしちゃってね?」
「何したんだよ」
龍希は食い気味で聞く
──────4ヶ月前。入学式。
「よっしゃ!!!入学できたなぁ、なぁ三空!」
雄一郎は黒髪だった、その時はまだ普通だったのかもしれない、だが世の中の普通は自分たちの普通じゃない可能性もある。
まぁそんなことは置いておいて
「お前らクラスどこ?俺は1-1だけど〜」
龍希が三空と雄一郎に聞く
「俺は1-2、三空は?」
「私は1-1だね〜龍希と同じ」
「お、いいじゃん、中二からずっと同じクラスやな」
こんな他愛のないいつもの話をしていた、でもここで別クラスになったからあいつの問題にも付き合ってあげられなかったのかもしれない。
クラスが別になりシルバと組み合わせが発表されて雄一郎がシオリと初めて会った時。
「やぁ、僕は雄一郎。君はシオリだよね、よろしく、僕がトレーナーになるから」
「あ……っ、よろしくお願いいたします」
その時のシオリは酷く怯えていた、
「緊張してんのかな?大丈夫だよ僕は君にすることは監修とお世話くらいかな……?」
シオリはびっくりして目を輝かせた、雄一郎はびっくりしたがすぐにニコッと笑ってシオリの頭を撫でた
「よろしくね!」
雄一郎は人間校舎に戻り、一帰宅した。
そして1週間がたち、少し思い詰めた表情をした雄一郎は三空の帰りの誘いを断って一人で帰る。いつもなら龍希と三空と3人で帰っているが、今日は独りだ。
「いつもは龍希いたのに、今日はいないんだな………」
雄一郎は少し不思議そうな表情になり、家に向かう。
「ただいま……」
家に帰ってきてリビングに行くとそこは地獄、会社が倒産してやけくそになった父親が酒と女に狂い倒れ込んでいた。
「…………またか」
するとむくっと起き上がった雄一郎の父親が酔った状態で雄一郎の肩に手をを置いた
「おぉ?雄一郎帰ったんか、やっと入学したんだろ?」
「いや、入学は2週間前くらいなんだけど……」
「早く優等生になって就職してくれよぉ、金ねえんだからお前だけが頼りだ」
「って、就職したら死ぬ可能性もあるんだし、研修とか受けないと……」
「お前の命なんぞ知ったことか!!この家は誰が買ってくれて誰がお前を育てたと思ってる!!」
ヤケクソだ…片手に酒を持って飲みながら話す父親に心底嫌気が刺した。
するとデリヘルらしき呼んだ下着姿の女が起き上がって父親の肩にへたり込んだ。
「そういや龍希?ともう1人の女、アイツらも同じなんか」
「あぁ、別クラスだけど同じ学校に入学したよ」
「マジかwwwあんな奴らと絡んでるとお前までどうしようもなくなっちまうぞ?」
「は?」
少しピリついた空気が流れる、雄一郎の地雷に近づいていく
「そういや龍希ってやつ、政府の変なやつらに目付けられて蜂の巣だらけになって死んだんだろ??バッカだよなwwwwww」
そう、龍希が死んだと噂がたち始めたのはこの頃、本当は龍希は生きていて謹慎期間になっていたので姿が見えていなかった。
その死んだという情報と父親の親友を貶す発言に苛立ちを込め
「おいクソジジイふざけんなよ!!!!!」
雄一郎は拳を奮った、顔面を何発も殴り、キッチンから包丁を取り出し心臓に何発も突き刺す。
「んぇ?何してってキャァァァァ!!!!???」
デリヘル女が正気に戻りその場の状況に腰を付いた。
「うるせぇ!!お前も向こう側なんだよ淫売が!」
俺は殺した、父親と関係の無い女を3人も。
俺は裁判にかけられた、判決は死刑。4人の殺人に同期はなんであれ殺人罪。
しかも裁判所に着くやいなや逃げ出そうと警備の人間を蹴り飛ばし脱走を図った。
「死刑………?」
雄一郎は絶望しゆっくりと裁判官に向かって歩き出す。
「く、来るな罪人が!!!我に近づくでな……い」
裁判官の後ろにいつの間にかいた雄一郎はうなじの肉を刈り取り頭をぐるっと回転させ首をネジ切った。
「ぎゃぁぁぁぁ!!!」「殺人鬼よ!!逃げて!」「助けてくれ!!命だけは!!」「金ならいくらでもある!だから命だけは!!」
俺は命乞いしてきた奴らを全員殺した、幸せそうにのうのうと生きて人を貶すことしか考えていなく金を稼いでるゴミムシ共は全消えてしまえばいい。
俺は追放となった、そこは地球。
現地球ではなく元地球。Silvervoidの住処となっている
「うわぁぁぁぁ!!!!」
ヘリで上空へやってきて落とされた雄一郎は地面に激突するかと思いきやある少女にキャッチされた。
「大丈夫か、男よ」
黒髪マッシュでショートヘアの黒いローブを来た女がそこにはいた、Silvervoidはその女の周りには1匹も近づいてこない。
「あ、、あんたは?」
「私はネル。Silvervoidの管理軍「銀の暴君」の隊長をしている。」
隊長?
連れられたところには古びているが錆び付いている鉄の柵に囲われた大きい建物があった。
そのには人間が何人かいた。この地獄に死していない人間が見た限りでも4人も。
「ようこそ銀の暴君へ、君も今日から一員だ。」
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