グニョりサ
イタチ
第1話
長い長い行列が、誰もいないくらい闇の中へと続いている
誰もいないだれも目も合わさないその黒い行列は、
皆黒い黒い喪服を着ており
その顔は、青白く
だれの意思をも通さないように感じられた
私は一人、その長い行列を片目に
雨の降りだした河原で一人、石を積みながら鼻歌を歌っていた
私は、その日片手にナイフ一本を手に取って、歩くともなく道をふらついていた
周りの大人は、私のことが何か危険因子でも含んでいるか
極汚い猫でも見るかのように、遠ざかっている
風呂に入ったのは何日前であろうか
私は、どうしようもなく、Tシャツの襟元をつかんで、
貝で見たが、自分のにおいなのか、周りの雑踏から漏れ出す悪臭のせいか、全くそれがわからずにいた
「おい、姉ちゃんいくらだ」
そんなことを言われ、どうもむしゃくしゃしていた
私は、軽くけりを、膝に、充てるが、相手は、どうやら、柔道の経験者らしく
子供のころに、散々見せられた
初歩的な基本で、軽く受け流される
崩れたサラリーマンにしては、私の目が悪かったらしい
その禿散らかした頭とは反比例に、昔習ったのか、現在進行形かは知らないが
その方だけは、崩れてはいないようであった
「おい、おっさんよぉ、きたねえ手で、あたしの脚を、触ってんじゃねえぞこら」
私の怒号は、相手には何の意味もなさなかったらしい
嫌らしい笑みを浮かべ、軽く口を、袖で拭った
「蹴ったからには、蹴られても文句は、いえねえな」
相手は、ゆっくりと、私に近づいてい来ると
その中肉中背の脂ぎったような体とは裏腹に、やけに鋭いけりを、繰り出した
どうやら、私は、面倒な奴に絡まれたらしい
昔のけいこを思い出すが、吹っ掛けたのは、私だろうか
それとも相手か
私は、ぼんやりと、その蹴りを交わすと
そのまま、逃げようとした
こんなことをしても、何の意味もない
私には、それに対しての得なんて何もないのだ
むしゃくしゃしたからって、こんなことを、するべきではなかった
そう思った時、背骨に何かの感触があり
そのまま、地面へと向けるように、それは高速に私の体を、説き伏せていた
「なあ、お嬢ちゃんおどりませんか」
ふざけた調子で、それが、さも面白いように、決め台詞みたいに言って、うざい
私は、そのまま、奴と蹴っとばされたついでに、距離をとろうとしたが
奴は、間合いを、その短足の癖に、あっという間に詰めると
方脳の脚を、ひっつかんだ
私は、それを、もう片方の足で、思いっきり
蹴っ飛ばす
「おいおい、女の蹴りなんかで」
そう、赤ら顔の男は、言っていたが、言葉が途切れた
足には、鉄板が仕込まれており
その何処かの土建屋からパクってきた、労働の証は、相手の親父の手を、女程度の私でも、
吹っ飛ばせる程度の力は持ち合わせていたらしい
そのまま軽く手で、バランスをとり
奴の話した手を、更に思いっきり蹴り上げると、コマのように回転した私は、手を軸に、相手の腹を吹っ飛ばした
「ヒューやるじゃん」
背後で、声がして振り返えると
そこには、耳にピアスした
へそを出した、黒っぽい服を着た女がいた
「あんた、私に付き合ってよ」
最悪な夜が幕を開けようとしていた
私は、どうでもいい喫茶店にいた
あのおっさんは、人ごみの中動かなくなっていたが
なかなか体力もあるであろうから、きっと大丈夫であろう
それよりも、このおしゃれな
へそ出し黒
おねいさんは
きっと、私と同学年ほどであるが
しかし、そのおしゃれのせいで、私なんかと一緒にいて
気を遣うのが、私自身嫌だった
「ねえ、何食べる」
正直何か食べたい気はなかった
さっきまで安酒で深酒して、深い眠りにでも、深く入ろうかとした、寝酒の後に、
げろでも溢しそうな、大乱闘なんかを、歩道橋の上で、繰り広げたのだから、低血圧の
乙女の私としては、今にでも吐きそうな気分であった
「ねえねえ」
うるさいくらいに連呼され
水
と、短く言うと、相手は、さもつまらなそうに
「メガ盛りダークチョココーヒートッピングブラックキャラメル生フォンデュ、チーズかまぼこブラックラーメンぽいクロワッサン乗せアイスクリームパンダチョコシュークリーム、イカ墨風味チョコサンド
ナチグロソフト、ノリベン系長男マシマシポッキン・トップオ・ハンゲルダンゲル・キナコマツタケ
ガーナブラックサバト、ブラックホール・暗黒の森・アレキサンダー・恐竜マーチ・腹黒、目黒、のらくろ、くろくろ、名古屋ソース的、一滴を添えて、チョコテリーヌの生づくり、アンデルセン昔話を、構想十年で熟成し、隣町のマンション広東の地下に存在するコンビニエンスストアー
ゼンゼンダメジャナイヨーに、突如入荷した、生パンダ生け造り
その話を、たまたま隣に座った、老婆
パルジェナンジェンから聞いて、想像した、チョコフォンデュを、ふんだんに使ったコーラ使用
黒と黒と黒と黒と黒と黒と苦労を重ねた真っ黒過ぎて、光を吸収しすぎるために、冷蔵庫内でも、
温度を放つとまでうわさされただけの暗黒物質、ハーバードスタンフォード大学 ケンブリッジ マサチューセッツ工科大学まで、お忍びで観察採取されそうになり、入店お断りになった
とされる、この奇妙奇天烈摩訶不思議、ギズモーもびっくりゴジラも冬眠しかねない
今世紀最大の東洋日本で、制作された、このお菓子をご賞味あれと言って、この世を去った
渡辺シェフのレシピを、考える事三十年
ようやく誤字脱字を清書し
アフリカ大陸最南端
ゴクロ村のカカオ栽培を牛耳ることで、何とか再興したこのレシピ
イタリアンジャパン風ウンコクサイダースベイダー暗黒ウルトラ超ド級どら焼きあんこ皮抜き
パフェ一つ」
優しい笑顔を浮かべていたウェートレスが、ひきつった笑みを見せて
「そんなものありません」
と、私は、一人、正座するように背を伸ばしながら聞いていた
良くクーラーが効いていた日である
極普通の黒く焼けた
ハンバーグを鉄板で、焼かれてジュージュー言わせている
女を前に、相変わらず、先ほどのボケに対して、私の思考は停止を続けていた
「あの、何か用ですか」
銀色のフォークを、起用に、ハンバーグの肉の上で、くるくると回していた
青っ白い細い指先のナイフを、女は、ぎゅっと握ると、何時の間にか、ゆびでも差すかのように、私の方へとむけていた
「ザッツライト」
何が言いたいのだろうか
何が正解なのだうか
この薄暗い喫茶店の中に、何か一つでも明快な光が輝くようには、沈んだ私の心には、見出せなかった
「あんたさ、ボディーガードやってみない、あれよあれ、相棒っていう奴
そうそう、ボディーガード、用心棒ってやつ」
私は、今の時代に、良く分からない人間に、そんなことを頼むこいつが良く分からなかったし
なぜボディーガードと、二回もボディーガードと言ったのか、私には、さっぱりわからなかった
しかし、こんな見ず知らずの人間に、頼むところが、今の流行りだとしたら、昔の映画でも、似たような感じで、誘っているシーンを見たような気がするから、大して変わらないかもしれないが
少なくとも、私が見たのは、へそを出したような黒い服を着たお姉さんではなかったはずだろう
「すいませんが」
そう言って私が、立ち去ろうとしたとき
相手が、私の手をつかむ
「ちょっとやめてください」
私は、そういうが、
相手の意思は強いらしい
その細腕を、ガンガンと、机の横で、振られても、黒い長い爪は、私の手に食い込むように離してはくれない
「分かりましたんで、警察にでも行ったらどうですか、話は聞きますんで」
彼女は、満面な唇を、釣り上げたような笑みを浮かべ
「実はなんだけど、ちょっと仕事があって、私だけ食べてるんじゃ話にくいから
なんか食べたら」
私は、ぼんやりと、暇つぶしのように、出されたコーヒーに口をつける
「私はさ、仕事してるんだよね、あなたと違って
ねえ、あんた、人生で一度でも誰かの役に立った
あんたさ、誰かに必要とされてる」
声が遠くから聞こえる
それは、何度も言われてきたような
そんな言葉を、シャットダウンする行為ではない
何か、何かがおかしい
私の視界が、ゆっくりとゆがむ
「こういうお仕事」
視界の中で、女の口がゆがんでみた
「と言う分けで、あんた、売られることになったから」
何を言っているのかは、何となく理解された
いや、理解しなければいけなくなってしまった
売り買いと言うのが、良い事なのかは、全く不明であったが
しかし、相手の言葉を、そのままうのみにでもするのであれば、私は、この消費社会で貨幣経済でマルクスなんかが牛耳ってそうな
お金でしか何も換算できない
お金社会の中で、誰かに、これから、売られるらしい
こんな時代に、もしかすると、物々交換がされるかもしれないが
私は一体いくらで売れるのであろうか
自分の価値の算段を、他人に聞いても見たいものであった
「ああ、ひあついいあ」
私のろれつの分からない言語でも、相手には聞こえたらしい
よほど耳と理解力が良いのであろう
私とは大違いだ
間違っても、私は、みずしらずの人間を、売ろうなんて考えもしない
「なんだ、お嬢ちゃん」
あのおっさんのシャルウィーダンスみたいな、言い回しだなと、そんなことを考えながらも
私は最善の策を考える
私のポケットには、ナイフがズボンに隠されている
幸いにして、手は後ろ向きに結束バンドで縛られている
この程度なら握れないことはないだろう
「ああしあいくあでうえあんだ」
「ああん、なんだって」
急に頭の悪くなった女が先ほどと同じような、どすの利いた声で、私に言うが
私は、この素が、一向にぶれてわからない
女に対して
唾を飛ばすように言う
「ああしのねだんは、いぐらだってんだっあよぉお」
女は、私に目を向けて
懐から何か取り出した
「次喋ったら殺す
直ぐ殺す今すぐ殺す、お前を売る金よりも、お前が売れなくなった違約金よりも、ぴーぴーうるせぇ奴といる方が、私嫌なんで」
なんという仕事に対する熱情の低さ
この熱帯低気圧のような女に対して、私は、何も言えず
ただ、どこか別の方向を向いたときに、ポケットに仕込んだ、刃物を、取り出して、ゆっくりと、バンドを切った
振り返った女は、私を見て
銃を取り出そうとしたが
私は、その手に、ナイフを、投げつけると、何本か指が飛ぶのが見えた
しかし、そういえば、こいつ以外に、私を、ここに運ぶときに、手伝ったものは、居るのだろうか
この倉庫のような場所を、前に、私は、ぼんやりと、逃げることを考えていた
「ここあどこあ」
私の舌は、もつれたようにいまだに動きが鈍い
幸いにして未だに、足の方は倒れてはいないが
5
前方のシャッターが、嫌な音を立てて、空くのと同時に、私の横を何かがかすめ通って行ったらしく、前方で「パチュン」と言う音を立てた、何やら、危険信号を感じた私は、ひねるように、横にそれると、私がいたところを、再度何かが通過する
どうやら、前方の女が、もう片方の腕で、銃をぶっ放しているようであった
「あんたさー、私が、利き腕で、銃を持つと思ってた。そんなわけないじゃん」
どうでもいいが、どうやら、彼女は、利き腕が狙われるとそう思って
反対の手で銃を持っていたらしい
用意周到ではあるが、それよりも、気になるのは、片腕から血を大量に、ぼとぼと垂れ流している彼女よりも
背後で、騒がしく
「おっおい」
とか
「なんだ、何処からだ」
とか
「兄貴が、前から行っていたら・・・そう、前方っす
ほら、血も、胸から流れていますから」
「阿呆、そんなの分かるわ」
と言うような、騒がしい声が聞こえ、果たして、この倉庫の裏口は、一体何処かを考え始めていたころ
後ろで、また声がした
「よそ見してられるなんて良い度胸ね」
何とも、何処かで聞いたことのあるような、言葉に私は、背筋が寒くなる思いがうっすらとしていた
「・・・」
ここでもつれる舌で何かを言っても何ら意味などないだろう
しかし、だからと言って、このまま、彼女と彼らの話を聞いて逃がしてもらえるとも思えない
私は、彼女が、撃ち始めた、拳銃から逃げるように
何とか前方へと左右に走るが
本当に、腕が利き腕だと良いらしく
カンカンとなる鉄板入りの靴に、着地点を把握しているのか
先ほどから、弾が当たるのか良い音がする
「あめろおぉ」
私はろれつの回らない舌でそう叫ぶ
向こうのシャッターの奥では
この銃声を聞いて、急に静かになったかと思えば、逆にさらに騒がしくなり始めていた
「あんた、これどうしてくれるのよぉー」
私は、この女のやりたいことが、全く分からなかったが
トタンの向こうに、一つの扉を見つけていた
そこに私は、飛びつくように、走りこむと
体当たりでもするように、飛び込んで、ドアを閉めた
そのすぐ後に、向こうの方で、かなり大きな多数による縦断の発射音と、それに対する着弾の音が、パラパラとし
私の頭の上では
ガラスが盛大に、紙吹雪のように、散らばって、舞っていた
「ぎゃはははは」
見えないが、女がそんな叫び声をあげている
最初から最後まで、派手な女であった
私は、一人、静かな、倉庫の奥へと、進もうとすると、灯りが漏れている部屋を見つけた
「やあ、おじょうさん、試験には、パスしたようだね」
そこには、木のテーブルの上に、ウイスキーなんかを、のっけて、トランプをしている男がいた
驚いたことに、眼帯なんてしている
私に対しても、後ろのドンパチに関しても、まるで、気にも留めずに
彼は、私を見て言った
「合格だ、給料は、前払い
守ってほしいのは今夜の零時まで
金は」
目の前に、分厚い茶色の封筒が置かれた
私は、ぼんやりと、事のあらましを考えていたが
全く理解が追い付いてはいなかった
「どういうことですか、何ですかこれは、私にどうしろと」
その時後ろのドアが、乱暴に開かれ
真っ赤な肌を、晒した
血に濡れた女がそこに立っていた
すぐに逃げ出そうという私を、女は銃声で黙らせた
「お前、こんなところで、銃をぶっ放すな」
テーブルの上のコップにカランと銃弾が入る
「仕方ないじゃん、おじいちゃんさぁ、こいつが逃げようとするから」
私はそんなどんな脅し文句があると、足を止める
「まあ、そんなことだから、今夜の十二時
渋谷駅まで、送ってほしいんじゃ」
私は、深いしわが刻まれた
この老人に対して、何の言葉も、かける事も出来ずにいた
ここで何か言えば、先ほどの、薬入りコーヒーのように
麻酔入りスプリンクラーでも、あの孫のことだ、祖父ならやってもおかしくはないだろう
事を、私は考えていた
「駄目か」
私は、いまだに、指のない女の方を見る
こんな状態で、病院にもいかず
一体何をすればいいというのであろうか
こいつに後ろでも見せようものなら
マシンガンで撃たれかねない
「ああ、ネリネ見せてあげなさい、彼女が心配しているじゃないか」
老人の声に、彼女は、腕の付け根を、片方の手で、掴むと、ボトリと
下に、何かが落ちた
それは、まぎれもなく、腕であり、義足のようであるが、腕の場合もその呼び名であっているかは知らないが、血が流れている意味が分からない
「あんた、本物志向よ、相手が油断するでしょ」
だからと言って義足に血糊を紛れ込ませる意味が私には今一つ良く分からなかった
「あんただって、これが義足だと気が付かなかったじゃない」
だからと言って、私は何か変化したかと言われれば、それは良く分からないのである
「つまりじゃ、うちの孫は、あんなのだから、辺り一面的だらけ、殺人に次ぐ殺人で、うちの若いもんも、殆どが死にかねない
だから、手ごろで、強い物が、必要なわけだが
娘が連れてきたのが、結果きみだったわけだよ、おじょうさん、すまないが、百万円で、頼まれてはくれないか」
私は、それが、これからの対価に対して、高いのか安いのかわからない
工事現場で死ぬことは無くはないが、そんなしょっちゅう死ぬものではない
しかし、目の前の鼻歌を歌いながら、血をタオルで真っ赤に拭いて染め上げている
女が、居ることで、到底まともな仕事ではない
私は、その札束の詰まった封筒を、一つも触らずに、そのまま、ドアを出て言ったらどうかと考えてみた
いや、実際には、出ていこうとした
「おじょうさん、忘れ物だよ」
私は、振り返りたくなかったが
老人が、こちらを見ている
いろんな人間を見置てきたが
何だろうこの威圧感は
いや、威圧だけならいい
それは嘘であることも多い
しかし、目の前の、それは、まるで、虫かごの中をのぞく飼育舎の目だ
「おじいちゃん、彼女は受けるよ」そう言って、老人によりかかるように、その女は言うと
「ねえ」
とこちらに同意を求めるようなことを言ってきた
しかし、私は受けたくなどなかったし受ける義理も、理由もない
しかし、ここから出て生きていけるような未来を、私はなぜか想像できなかった
「ほら帰ってきた」
帰って帰宅など全くなかった、いや、実際問題帰ってきたくなどはなからない
しかしながら、私が回れ右をして、帰った理由は、どうも、奥の方
あのシャッターの方で、先ほどから、やけに騒がしく
「かたき討ちじゃい」
とか
「これであいつらも火だるまじゃい」
とか、物騒極まりない言葉が、連続して聞き取れていた
「ねえ、おじい様、帰ってきたよ
私の賭けの勝ちだよおじいちゃん」
そのころころ変わる名称を、やめいと、私は言いたかったが
それでも、その声は、表に出ることなく、騒がしく向こうの方から来るざっとうに掻き消された
「っね、楽しかったでしょ」
一体いつ、彼女が、私に楽しいかを聞いたのか全く記憶になかったが
私は、蜂の巣をつついたような銃撃戦のさなか
トタンの壁を、真横に倒して、一網打尽にするという、荒業を、見せられ、こいつは一体何のために、そんな仕掛けを用意していたのかと、うすら寒く、横でポテトチップスを、食べる女を見ていた
「っね、面白かったでしょ」
ほとんど同じであるが、何か内容の違うよく似た言葉が、彼女の口から二回ほど、漏れ出したが
ペーパードライバーの私に、それにこたえる義理も余裕も何もない
「まあ、よろしく頼むよ」と
何を頼まれたのか全く分からない私は、逃げようもなく、やけに高級そうな車を、走らせている
流石に工業機械の車と言う物の精密さとはすごい物があるが、高級さの制度と言うか野呂心地と言うか、私はそのメカに、多少なりとも驚きを隠せずにいた
「ねえ、面白いでしょ」
それは、さっきのことを言っているのか
ネオン色に光るような、その高級感あふれるメーターを見て言ったのかは、分からないが
飴を加えた顔が、私のハンドルの下ら辺を見ているから
メーターなのであろうが、機械に全く詳しくない私は、それが何を指せば、喜ばれる答えなのか皆目見当がつかなかった
「この機会は、1865年にイギリスのワーナードベンソンが、ポンプの原理をよういて作ったんだけど、未だに日本で動かしているのはこの車ぐらいでしょうね、こんなポンコツな一億円する車に搭載するなんて本当にばかげている」
私はそれが何を意味しているのか、全く訳が分からなかったが
しかし、一番の問題は、そんな高級車を、ペーパードライバーに運転などさせてほしくなどなかったの一点に尽きる
「っね、面白かったでしょ」
その過去形が何を指し示すかは私にはてんで分からない
この車の製造年月日は、およそ百年前であり、それをつぎ足し継ぎ足し部品を総入れ替えしないでも、この機械の部品をとどめて走らせたところで、利点は何もない、そこに利点があると言えなくもない
私はその理由なき理由のようなことを聞きながら、車の名が出、つかの間の飲み物を飲んでいた
何時の間にか、また眠るようなことはなく
私は、どうしようもなく青ざめた心臓の中で
この妙に居心地のいい椅子を背に、ホットカボスを、口に入れていた
「ねえ、あんた何歳なんよ」
私は、その言葉に首をひねる、それにどんな意味があるのかは分かりかねたが
しかし、言ったところで、言わなかったところで、大した差は存在しないのではないだろうか
「17」
相手は無言で私の肌を観察した
老けて見えるとでもいうのだろうか
「本当」
それがどういう意味かは、私にはわかりかねる
しかし実際問題、彼女の答えは間違ってなどいない
私自身が本当は何歳かわかっていない
母親が、戸籍標本も取っておらず
勝手に死んで、それ以来学校に等行かず、
家が取り壊されてそのままだ
「ねえ、本当は、何歳なんだよ」
私は、ペットボトルの口を離してため息をつく
分からないことは、答えようもないが
「お前こそ何歳だよ」
と、相手に聞くと
「レディーに年齢など聞くもんじゃないですよ」
と、良く分からないことを言う
私はどうやら、レディーではないらしい
カボスのペットボトルの蓋をして、私は一人エンジンのキーを回した
「まずいなこりゃ」
それは彼女の口からであり、あれほどまずい性格の女が、更にまずいことと口に出す事とは、一体何であろうか
私は、ぼんやりと、前方を見た後、バックミラーを見て、口が開きそうになる
何やら、騒がしい集団が、背後から迫っていた
それは、色とりどりのバイクが、群れを成して、走っているのだ
私はぼんやりと
それらが、通り過ぎるのを祈ったが
取り巻くように、左折した
その一団は、ごみごみと、車を取り囲み
私は、どうするのかとそう彼女に聞こうとしたとき
横で何かかちりと音がした
何事かとみると
ハンドブレーキが戻され
彼女の足が、私の足を、思いっきり踏んずけた
それはくしくも
ブレーキではなく
アクセルだったのが大問題であった
周りを飛び散る人の体を、避けるように、私は、ハンドルを握ったが
それにどれほどの意味があるかは全く持って不明であった
背後に飛び散る人間の姿と怒号
そのすべてが無意味に、我々を、追いつこうとするのであろうが
この無駄に高性能らしい車は、二輪に比べて馬力が、あるらしく、更に、それを伝える足が倍あるのだから、速さに関して仕方がない
しかしながら、そのエンジンに対して、私の力不足が否めず
その浮いてしまうような速度の中
横で、ギャックバハハと、笑う女が、死神に見えて仕方がなく
現に、こいつは生きるか死ぬかに関心がある類の人間には、到底思えないのであった
「っあっあの」
私が、小声でそう言うと、相手は、くるりとした目を私に向けた
「なんだよ嬢ちゃん」
こいつの精神状態は、今一一体どうなっているのであろうか
私には到底すべからざる分からないことではなるが
しかし、この叫んで食って暴れるような、ジェットコースターのような精神構造を、私は、到底しておらず
ただ、彼女を前に、ガソリンのエンジンを見る
世の中は、低燃費だが
この車は、馬力も凄ければ、そのエンジン消費量も、ひと昔らしい
乗り込んだ時に見た、満杯のガソリンは、その神々しく光る
エンジンメーターの横のアナログな矢印が、赤い線を指さし確認している
「あれま」
あれまではない
先ほどまで、はるか彼方に置いてきぼりをくらわそうとしていた一団が、今眼前へと先ほどと同じ
デジャブのように、取り囲んでいた
一人が、バイクの荷台から降りる
何か言葉を話そうという感じではなく
手に持った鉄色のパイプがいきなり
窓ガラスに、当たる
「あーあ」
横で、彼女が、あきらめたかのような声を出す
どうするつもりであろうか
私は、ガラスが割れる音とともに引きずり出されることを覚悟したが
目の前で、そのヘルメットをご丁寧にかぶった
男が、窓に触れるか触れないかの瞬間
防弾ガラスでもできているのかと思われた
その窓は、割れないどころか
一瞬青白い光を放った
ビリリと、音を立てそうな電気が、辺りを包み、背後に吹っ飛んだ男を前に、周りの人間は、びっくりしたかのように、我々を見ている
幸いにして、曇りガラスなので、中は見る事が出来ないので、私の驚いた顔もまた見る事はなかったはずである
「びりぃりりりいいぃい」
突然横で、彼女がそう言いながら
何やら、赤いボタンを押した
次の瞬間先ほどとは、全く対比にならないような、灯りが辺りを、包み
次の瞬間、そこにあったのは、煙を上げる人の姿と
未だに呆然としている私
無邪気に無表情に笑う
頭のおかしい女だけである
「ガソリンが手に入ったわね、ありがたく思いなさい」
暗くて寒いクーラーの利いた車内で、彼女がそう言ってドアを開けた
人の焼ける嫌なにおいが、もれこんでいた
荷台に有ったポンプを使用して
一つ一つ、ガソリンを、集めていた
そんなときであった
道では時折、不審そうに車がゆっくり走り、実際は、それはこの異常な光景に目を見張る野次馬なのであるが、私としては、相手が我々を殺しに来た、いや、実際は、今、後部座席で、こちらをニマニマと眺めているあの女なのであろうが
しかし、私が一緒にいることで、その責任問題は逃れにくく、なおかつ、私の報酬百万円が、私の胸ポケットに入ってしまっていることから、愈愈言い逃れは難しい、つまりそれは、報酬を受け取ってしまっているがゆえに、私は逃れられないのであろう
「ほらーさっさとしろー」
私は、ガラス越しのエールを、無視して、素早くこぼれないように、ポリタンクにそれぞれの車体のガソリンをミツバチのごとく寄せ集める
幸いにして、タンクの二に鍵が付いている車種はなく
順調に、相手のバイクを、使い物にならなくしていった
「ウォーターゲードでも、入れてやれ」
車の中で、飲料水を振っている女はさておき
私は、タンク一杯になったガソリンを手に、大ぐらいの車の給油口を、開けと
「とろととろ」と注ぎ始めた
「ちんたらしてんなよ」
後部座席では、よほど暇なのであろう
寝っ転がりながらも、車を揺さぶってそんな声が聞こえた
「・・・・・渋谷までの道のりは、次は」
私は、ガソリンを、入れ終り、トランクに、しまうと
車に乗り込んだ
「おせーぞバッキャロウ」
このハイテンションは、ガソリンでも飲んだのかは知らないが
私は、鍵を回そうとしたときであった
背後から、地面が揺れるような、奇妙な地響きとでも形容ししたような
まるで大型重機でも搬入されたような
その振動に、振り返った私の目に移りこんだのは、ゴジラでもなければ、大地震でもない
それは、小型ではあったが、鉄の鎧を着こんだような、不格好なその低姿勢に見えて巨大な
主砲を備え付けられた
まさしく
「っあー戦車だー良いなー」
車の内部では、何か、頓珍漢な声が響く
私はバックミラーを見ることなく、車のエンジンキーを回すと
発車させた
ギヤを素早くチェンジさせると、真後ろで、地面が跳ね上がり、我々の車は、スピンするように前方に押し広げられた
「あっちゃー、こりゃいよいよだねぇ」
何がいよいよなのかは、全く分からないが、私にできることは、当たらないように、比較的早いスピードで蛇行するしかない
「うまいぞこりゃ」
相手も、手慣れていると見えて、走る場所の一歩手前を吹き飛ばし
その破片をよけるように、私は、この車のハンドルを右左に蛇行させ続ける
山道でももう少しましなのでとそう思ったが
相手の攻撃が止むことなく
我々は、仕方なく、陸橋から、滑り落ちるように逃れると、狭い道へと、走りこんだ
しかし、戦車ほどでは全くないが
小回りが利くような車ではなく
「ギャハハ」と
後ろでうるさい小娘の笑いをせに
私は、ブロック塀に、がりがりと、この車をこすりつけながら
背後の笑いをかき消すように、運転する
目の前の家が、向こうの方から吹き飛んだりしたが
私はそんなことはいざ知らず
走るだけは知らせようと心に誓って、狭い路地をブロック塀にあてつけながら
走ることに遷延し続ける
「あーぁー」
などと言う言葉は耳には入らない
全ては後ろの女が悪いのだ
「そういえば、その義足って、どうしてなくなったんですか」
私はカーブミラーを後ろになぎ倒しながら聞いた
「ああ、義手ね、義手フックせんちよう」
そう言って、バシバシと後部座席からかポカ歩と音を立てながら頭を義手で殴るので聞かなければよかったと私は後悔せずにはいられなくなった
「ねえ、そこの右」
私は唐突にそう言われ
仕方なしに、右に曲がることにした、きっと何か秘密兵器でもあるのではないかと私は予想した
「何かあるんですか」
私は、期待もせずにそういった
こいつなら核弾頭でも出しかねなかったが
私はそれはそれでいろいろと問題がありそうなので口には出さずに車のハンドルを切る
「まあね、とっておきに特別だようー」
私は、背後で何か大きな音がした気がしたが
そのまま、両サイドのサイドミラーがなくなるのを見ながら、カーブを曲がりきると
悲しい突起が左右から生えている車を目視した
「ここだよ」
それは、何の変哲もない、ただの古びた
喫茶店に思えた」
きっと中には拳銃やマシンガンが山の様にあり、それのカモフラージュがこれなのであろう
私はそう納得して中に入ると、いかにも髭面の線の細い老人が、白いコーヒーカップを磨いていた
「いらっしゃいませ」
丸い眼鏡がそう挨拶をさせている
「コーヒーココアペカチーノダブルで」
老人は、それをどう受け取ったのかは知らないが、コクリとうなずいた
本当に理解しているのか
それとも何か、常連的あれなのか
それとも、これは暗号のたぐいなのか
そういえば、窓と言う窓は、白いカーテンで遮られ
更にその前には、花柄の薄い色褪せたような落ち着いた茶色のカーテンがすべての場所にひかれている
「そういえば、あんた臭いね」
私は、血糊の何とも言えない匂いの女を見て言う
「私は香水つけてるけど」
だとしてもひどい匂いだ
「それなんの血糊なんですか」
「っあ、気づいた、これ」
私は見たこともない瓶を見る
「ほんと最近の奴らって意気地がないから
魚とか、豚の血液使うんだけど」
確か血糊は、イチゴシロップと着色料とかで、作るのではなかったか
それとも本物は違うのか、そんなわけはあるまい
毎回そんなものまき散らしていたら、大変なコンプライアンス違反や掃除も大変だろう
「私は、ほんまもんよ本場の」
何が本当なのかは、分からなかったが
しかし、私にしてみれば、その義手の中に入った血液のような血液のような物が、腐ったせいで臭いのではないかと思い始めていた
「発酵よ発酵」
私は何も聞かなかったことにして
席に座る
落ち着いた雰囲気の中
遠くの方では、戦争でもおっぱじめたような
轟音が鳴り響き耳に痛い
「まあ、つまりよ、野球選手は、腕よりも蘆品分け、腹筋も微妙だけど」
何が言いたいのかわからないが、口から泡を飛ばしながら
義手を、グルグルとあちこちにぶつけて、何やら、馬鹿を演じて、私を油断させようとしているのか走らないが、しかし、この娘が、一体何をやっているのかは、私にはわからなかった
「っそっそれで」
私は、秘策を聞こうとしたとき、その答えを出すはずのマスターが
銀色のお盆に、二つのカップを運んできた
お姉さんは、これよこれ、と言う顔で、中を覗き込む
私はぼんやりとその秘策を、テーブルをはさんで、見るが
彼女は早々に口をつけて、匂いをかいで居る
おいしいのかどうかは知らないが
これはどういった秘策であろうか
彼女は先ほどから、やけに、相手を油断させることに、ご熱心のようだったし
これは実は
そこまで考えて、私はとある疑問が浮かんだ
先ほどの、カボスは、何も入ってはいなかった
そして、今回も入っているかどうかはわからない
しかし、ここまで来て彼女は何をどうしようというか
彼女は、コーヒーから軽く目を上げて、私を、カップ越しに見る
「私は、あんたを三回ごまかした。分かるか」
ため口が癪に障るが考える
これこそが何かの秘策だとでもいうように
「何でしょうか」
聞きながらも考える
なんだ、何がどうなっているというのか
まず、私は、コーヒーを、薬を入れられて騙されている
いや、最初の用心棒も・・・いやこれは実際に
そうなると、どれだ・・・・ああ、義手だ、あれは何か言っていたな
そうなるとあと一つだ。」
相手は、歯を見せて、にんまり笑う
きもちわるい
「三個目なんてないという嘘だ
だまされただろう」
何とも小憎らしい笑みを浮かべる
彼女に唖然とするが、しかし、。秘策がないと言わなくてよかったと私はすぐに胸をなでおろす
「馬鹿め、三個目がないと言うのは嘘だ
貴さまの百万は子供銀行発行の」
私は、札束を燃やしてやろうかとも考えたが
「まあ、まあ、コーヒーでも飲もうじゃないか」
私は、白い器を、口につける女を片目に、振動が徐々に近づいている気がしてならない
こんなことであったら、あの車を、もっと遠くに乗り捨てればよかった
「まあ、落ち着き給え、ワトソン君」
私は女であり、医者ではない
「きみがもし、巨大な戦車でこんな路地裏に行ったら
どんな場所に隠れると相手は思う」
私は出来るだけ遠くに行くと考えるだろう
狭い場所なんて言うのは袋小路と一緒だ
脱獄版画、近所にとどまりはしないことであろう
「そうだ、まさしくザッツライト、ザッツライト」
軽いザッツライトもあるもんだと
私はそんなことを思っていたが
「つまりだ、とてものんきに、こんなところで、お茶なんてしているとは、到底思うまい
これこそが、秘策だよ」
「本心は」
私が聞くと、もう一度口をカップに付けた後
「お茶を飲みに来ただけだ」
私は、唖然とする中
物凄い音が、辺りに響く
「来たな」
来たなじゃない
こんな場所にいる奴らは、どうして捕まらないのかも謎で仕方がない
「そんなの、怒っているから以上になんのこったもないだろう」
それ以上のことはありそうだが、この国の国家権力は何をしているのか
まさか、交番で尻尾を巻いて逃げているわけじゃあるまい
それとも、自衛隊が向かってきているとでもいうのか
「ッチッチッチ」
目の前で、気障に指を振る女がそこにはいた
「相手は戦車をもってぶっ放している
その時点で答えは一つだ」
私は、そこでようやくコーヒーに手を付けた、気晴らしか毒でも入っていればいいなと思いながら
「軍が出動して、私を追い求めてるんだよ、もてる女はつらいよ」
国家権力は、こんなバカのために力と金を使うのか
私は絶望の中、すがるようにコーヒーにもう一度口をつけた
お代わりを入れようとするマスターを手で制して
私は口を切った
「もう帰ります」
「百万」
「返します」
「もう遅い、きみは、十二分に私の元にいた
これは、一蓮托生
同じ花の上で、法華経でも唱えようじゃないか」
私は、彼女と同じ宗派には死んでも入らないと
そう思いながら
立ち上がった
「逃げてどうなるというのだ」
私が、その言葉を、聞くか聞かないかのうちに、戦車の音が、徐々に遠ざかったような気がする
いや、実際に音は少しずつと奥の方向へと向かっていた
「やっやったかもしれない」
私の喜びとは正反対に
奴は、地面に耳を当てている
「6・・いや7」
私は、窓に目を向けた時
そこには、物々しい服装の男が、一人立っていた
そいつは、手に構えたライフルを、こちらに向けている
それは間違いなく、床で間抜けずらをしている
彼女である
私はそのまま様子をうかがってもよかったが
百万円をもらった手前、そうもいくまい
ただこんな場所で拳銃とどう対処するべきであろうか
それは全く不明である
しかし、人は無駄死にやけじめと言う言葉がある
私は、奴らが拳銃を、ぶっ放す前に、彼女の前に、立ちはだかった
「おお流石勇者」
バカみたいな声が、後ろから聞こえた時、銃声が、胸に響いた
それは、足でもなく胸に命中したらしく
私の中で、何かがはじけて、辺りに飛び散る
何たるこったと思う間もなく、私は背後に飛ばされた
足元で、なにかがぶぎゅと声を上げてつぶれたが
そのふじゅの正体を知ることなく、私の瞼は、疲労と共に、幕を閉じた
私の命は、百万円だったらしい
「やあ、おきたかい
これでだまされるのは、三回目だ
忠義審は、確かめてもらった
これで、きみは合格だよ
上木 霧子君」
私は、教えたはずのない名前を言われた不気味さと不愉快さと後悔の念がなじり
白っぽい部屋で私は死んだのだ時が付いた
「しかし、悪運が強いね
がめついから、胸ポケットに百万円なんて入れちゃって
ほんとどうしようもないな」
私は、うすぼんやりと、白い病院のベッドであろうその反対色の
黒い服を着た悪魔を眺めた
こいつは、さっさと警察に引き渡して、脳細胞でも取り出して研究した方が良い
きっとこの世のためになるあらゆる犯罪の因子が判明し
この世のために、犯罪抑止予防に、なるだろよ
どうやら、胸ポケットの百万円の代わりに、私は、命を、百万で、助かったらしいが、しかし、あれも銀行にもっていけば
そんなことを訪ねると
「きみの服を洗濯するときに、誤って、洗ってしまった一緒に」
悪びれもない目がこちらを見る
何かマッチポンプと言う名の巨大な機械が蠢ている気がしてならない
「私は、有路 道無 あるじみな
よろしく下僕」
私は急いよ逃げようかとう思っていたら
手に違和感を感じた
そこには、ポケットにナイフが、しまってある
私は、ここから脱出しろとでもいうのか
どちらにしても、この部屋の悪臭は、だれの物か
私は今すぐ逃げ出したくなっていた。
グニョりサ イタチ @zzed9
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