ホラー脚本の講評

 

第1話

女「あの……どうですかね?」


男「君、ホラー脚本書くの初めて?」


女「はい、初めてです」


男「あー、じゃあ仕方ないかぁ」


女「え?」


男「幽霊はね、理由もなく人を襲ったりしないの。お盆でも誰かの命日でもない、事故物件に住んでるわけでも心霊スポットに行ったわけでもないのに、どうして主人公がこんな目に遭うの?」


女「それは……」


男「自分の嫌いな奴を作品内でいじめたいのはわかるけどさ、それをホラーでやるのはやめてくれる? 面白くないから。俺のこと嫌いなら脚本に書かずに直接言いなよ」


女「私、渡辺さんのこと嫌いじゃないです。むしろ好きです」


男「は?」


女「だって、好きなキャラが傷つく姿って見てて萌えるじゃないですか~。それに、ホラーってジャンルにすればいろんな人が見てくれるんですよ? 私はただ皆に渡辺さんが傷つく姿を見てほしいだけなんです」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ホラー脚本の講評   @hanashiro_himeka

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ