第4話

午前1時。私達は風呂上がりにも関わらず否応なしに身体を重ねていた。どうやら先刻の傾聴が絢の性欲を掻き立ててしまったようだ。元々旺盛だけど、ちょっと気圧されてしまいそうだ。ヌルッと柔らかい電流が股から頭へ流れる。きっとこの感覚は忘れられないだろう。

今度は顔を見つめ合わせながら抱き合う。

「…さっきの話、振り返ってみたんだけど、私は今後一生同性を求めるかもしれない。」

「うん。求めていいんだよ。絢。」

「ありがとう。」

「………ねえカナエ。」

右頬にそっと左手を添えられる。

「うん?」

「好きって十人十色だよね。」

添えられた左手は優しく目から眉毛、髪へと昇らせる。

「うん。もちろん。人間いっぱいいるんだもん。」

「そうだよね。それなら私にとっての"好き"は異性がいらないのかもしれない。」

柔らかな唇を交わらせる。幾度かして交わりは解ける。

「……それも1つの答えだね。私は絢が好き。今の私には絢以外いらないのかもしらないかね。」

薄ら目を見開きながら言う。

「それはまたワガママな。」

クスッと笑って続ける。

「大丈夫?虜以上に洗脳されてない?」

「大丈夫。絢は至極真っ当人間だから。」

「プフッ。それ答えになってる?」



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