第15話 サギ

「サギ」


庭園池周辺は、もみじや桜梅つつじと彩りある木がある。

小さい茶室もある。

そこは色々な用途に使われている。


今日は、写真撮影のようだ。

和装の男女が、何組かいる。所謂、フォトウェディング。


こんもりとしたつつじ山には、あずま屋がある。


屋根のてっぺんに、真白い鳥が、首をスッと長くして、止まった。


赤色の和装が、思わず、

─あっ! ツルっ!

と、嬉しそうに声を発す。


そりゃあ、見るからに、白くて、首がスッとして、美しい鳥だ。

だが、それはサギ、とは声にすることができなかった。


私は傍らで、しろサギの雄姿をスケッチしている。


カメラマンは、縦構図で屋根のしろサギも被写体に、構える。


サギ、和装の男女、黒服カメラマン。


天気は良好 語呂感 知らぬが仏

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