難癖は、およしあそばせ

吉野 ひな

難癖は、およしあそばせ


時は宵が満ち、数多の華が咲き誇る。

調べの場の興を差すは、煩き言の葉よ。


あぁ、かのおもひ人よ。

過ぎ去りし日々、永遠とわに還らん。


寄り添う女性おなごの、隠れた顔つきよ。

悪しき言、刃となりて、おのが身へと翻る。


我が言の葉も、腰巻きどもに蹴散らされ。

秩序もありやなしや。


甘い蜜に群がる怠け者なりて。

瞳は曇り、真実は成さず。


四面楚歌。

我は真を抱き、打守うちまもる。

天の光り舞い降りて、扉開かれん。


「忠臣の言にて、余は来たり!」

王の朗々たる響き、場は静まり申す。


玉座の路は、祈りに通ず。

打開せし、好機顕る。

我、献言の機を逃さず。


異を論ず王子、目もくれず。

まなこ閉づ王の

手振り一つ、兵が躍りづ。


「誠、無念なり」

王のぬ後、辺りは騒がしき。

けれど、悪しき御用は自明の理なり。


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難癖は、およしあそばせ 吉野 ひな @iza40

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