海にかけた僕の魔法

僕、双葉颯介は昔から静かな“本好き”の少年だった。
誰かに強く求められることもなく、誰かを求めることもなく、
ただ活字の海に沈みこんで生きてきた。
そんな僕の前に現れたのが、三ツ谷海人。

──彼は、僕の物語を現実に変えた。

まぶしいスポットライトの下で舞う彼。
無数のフラッシュを浴びながらも、最後には僕とともに歩む彼。
そんな存在に、いつからか僕は魔法をかけ続けている。

本を愛した平凡な少年と、スクリーンの中で輝く青年。
「物語」と「光」が交わるとき、ふたりだけの世界が始まる。

これは、僕が綴り、僕がかけた―
　　　　　　　　　　　　　　― たったひとりの君への魔法の軌跡