きみのためのからだ、ぼくのためのうつわ

空野つみき

きみのためのからだ、ぼくのためのうつわ

脈拍を同期して、支持体の空、素描の緑、灼かれているよ


供物へと変わる(器はあんなにも遠かったのか)きみがいたから


ぼくたちが同じ形でないことの恒星よりも永いさみしさ


慈しむこと。灯台を破壊するきみのすべてをぼくのからだへ


破かれた星図に横たわるくじら 腰のえくぼに溜まる雨水


小刻みに季節は過ぎて(花ですね)心細いの(素粒子の花)


砕けゆくからだのぼくら うつわへと互いの海の色を注いだ


人間の裂け目という裂け目から羽 粘土の街をきみは見下ろす


哺乳類だった頃からぼくたちの器はあまい耳をしていた


鏡面に棲むきみの手を離さないことを許して、有毒の星


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きみのためのからだ、ぼくのためのうつわ 空野つみき @soranotsumiki

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