第17話

翌朝、俺はエレノアに起こされ、街の北にあるという修練場へと向かった。昨夜の街の喧騒が嘘のように、昼の城塞は、剣の音と、男たちの雄叫びに満ちていた。


修練場には、様々な種族の戦士たちが集まっていた。人間、エルフ、ドワーフ、獣人。彼らは、それぞれが持つ武器を手に、互いに技を磨き合っている。


「悠斗様、まずは、基本的な剣術から始めましょう」


エレノアは、そう言って、俺に木の剣を渡した。俺は、その剣を手に、エレノアの指導のもと、素振りを始めた。


エレノアの剣術指導は、厳しかった。少しでも姿勢が崩れると、容赦なく竹刀で叩かれる。だが、俺は、そんなエレノアの指導に、嫌な気持ちはしなかった。むしろ、俺を本気で強くしようとしてくれている、その熱意が嬉しかった。


「悠斗様、剣は、ただ振るうだけではありません。相手の動きを読み、相手の心の隙を突く。それが、真の剣術です」


エレノアは、そう言って、俺に、剣術の奥義を教えてくれた。


俺は、エレノアの言葉に耳を傾け、一心不乱に剣を振るった。エレノアのパンティーが持つ力が、俺の身体能力を底上げし、俺の剣は、日に日に鋭さを増していく。


昼の修行が終わると、俺たちは、街の食堂で、簡単な食事を済ませた。


「悠斗様。今日は、よく頑張りましたね」


エレノアは、そう言って、俺の頭を、そっと撫でた。


俺は、その温かい手に、胸が熱くなるのを感じた。


「エレノアさん……」


俺は、彼女に、感謝の気持ちを伝えようとした。だが、その言葉は、口から出てこない。


その日の夜、俺たちは、再び部屋に戻った。


窓の外は、すでに暗くなっている。


昼間は、静かだった街が、夜になると、全く別の顔を見せていた。街路には、昼間とは違う、艶やかな衣装を身につけた女性たちが立ち並び、男たちに、甘い声をかけている。街のあちこちから、楽しそうな笑い声や、嬌声が聞こえてくる。


俺は、昨夜の光景を思い出し、胸がざわつくのを感じた。


「エレノアさん……。本当に、この街って……」


俺がそう言うと、エレノアは、静かに頷いた。


「はい。貴方も、この街の噂を聞いたことがあるでしょう?『エッチの城塞』、と」


エレノアは、そう言って、俺を見つめる。


俺は、エレノアが言っていた言葉の意味を、ようやく理解した。


昼は、戦士を鍛える場所として、夜は男と女の欲望が絡み合う街として、全く異なる顔を持つこと。昼の修練場は、夜には性交場へと変化し、男たちと女たちが欲望をぶつけ合い、お互いの身体を求め、性技を磨き合う場所になるのだ、と。


「……エレノアさんは、本当に……夜の修行には……」


俺は、エレノアに、そのことを聞くのが怖くて、言葉を濁した。


エレノアは、俺の様子を見て、静かに言った。


「悠斗様。貴方は、勇者です。この街の夜の顔に、惑わされてはいけません。貴方の目的は、ただ一つ。魔王を倒すこと、です」


エレノアの言葉は、俺の心を冷やし、俺の欲望を抑え込んだ。


俺は、エレノアの言葉に頷き、再びベッドに横になった。だが、窓の外から聞こえてくる嬌声は、俺の眠りを妨げた。


(エレノアさんは、本当に、夜の修行には行かないのかな……?)


俺は、そんなことを考えながら、いつの間にか眠りに落ちていた。


俺の異世界での旅は、新たな局面を迎えたようだ。

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異世界召喚したら王女様のスカートの中でした。しかも俺のチート能力がTバックなんですけど。 yukataka @tat6511

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