織田信長は現代人だった?!

@suginomoto

第1話 事件の日

「おい起きろ田中!」

親の声よりも聞いた声が耳元で聞こえる。できれば一生聞きたくない耳障りな声だ。その声の主は学校を通して嫌われている歴史の佐藤先生だった。俺はその人の授業がつまらなくていつも寝ている高校2年性の田中真人だ。俺が寝ては起こされるという毎日をずっと繰り返していた。

そんな平凡な日々を過ごしていたが2025年6月9日に事件が起こった。その日の授業は織田信長のことについて授業をしていた。いつも通りねていると、また、佐藤先生に叩き起こされた。

「なんだよ、またかよ。」

うっかり声に出してしまった。そうすると佐藤先生は俺に

「またかよじゃねえよ。おまえちゃんと授業理解してねえだろ。」

俺はドヤ顔しながら佐藤先生に

「余裕ですが何か??」

といった。というのも俺は学年内では一位を取り続けており模試でも国内トップのY大でもA判定を叩き出していたからだ。そんな俺に佐藤先生は質問をしていった。

「桶狭間の戦いを詳しく知ってんのか?」

その質問に対し黒板にしっかりと書き出してやった。クラスの全員が目を見開いた様子で俺の書いたことを板書していた。Kその瞬間に俺は快楽を得た。佐藤先生は負けじと質問した。

「じゃあ織田信長が未来から来ていた人間だったってのも知ってるのか?」

「は?何いってんだおまえ。」

思わず口から出てしまった。俺がその言葉を放った後すぐにクラスのみんなが

「おまえそんなことも知らねえのかよw笑えるw」

と言った。世界で俺がただ1人取り残されたような気分を味わった。俺は不服だったが放課後佐藤先生のもとへ行きそのことについて聞きにいった。

「織田信長が未来から来たってどういうことですか!!」

佐藤先生は不機嫌そうに俺の質問に答えてくれた。

「その言葉の通りだよ。織田信長は戦国の世に生まれたのではなく未来から過去に行き日本を支配するためまだ技術の発展していなかった時代に行ったとされる。」

「その根拠の支えとして、戦国の時代になると銃器の技術が急に発展しただろう。」

俺は呆気に取られていた。

「そんな重大な説があるなら俺が知らないはずがない。」

そう心の中で呟いた。

「この世界がおかしいのかそれとも俺がおかしいのか」

こんな厨二病的なセリフを言うとは思ってもいなかった。だがもし織田信長が未来から来たのなら不思議な点が一つあるのだ。それは俺が生きている現代はまだ過去に行く方法がないこと。もちろん過去に行く技術がなければ過去に行くことはできない。

「織田信長はどうやって過去に行ったんですか?」

「なにをいっているんだお前は。過去に行く装置で行ったに決まっているじゃないか」

こいつは質問に答えられないのか?と危うく口から出るところだった。

「今の時代みんな家族旅行は過去に戻って街並みを観光したりすることじゃないか。お前も行ったことあるだろ?」

ますます混乱した。よくよく考えれば教室の雰囲気がいつもとは違った。扉は自動開閉式でお世話ロボット的なやつもいる。そして教室の外を見れば空を飛ぶ車が飛んでいる。

「俺が寝ていた数分で技術が発展した?」

そんな馬鹿げたことあってたまるか。先生に起こされてから何かがおかしい。異世界にでも来たような気分だった。

「いかんいかん。織田信長が未来から来たという話だったな。というかお前さっきから大丈夫か?なんか顔色悪いぞ。早く帰ったらどうだ?」

先生の言うとおり帰って気持ちを落ち着かせるために寝た。

翌日学校に登校し1限目から佐藤先生の授業を受けていた。なぜか今日も昨日と同じ授業だった。案の定寝た。

「おい起きろ田中」

また起こされた。

「織田信長がどう言う人物なのか知ってるのか?」

俺はドヤ顔で答えてやった。

「織田信長は現代から過去に行って日本を支配しようとした人物ですよね?」

クラスが一瞬静まり返った後、すぐに大爆笑が巻き起こった。

「田中お前寝過ぎだろw寝過ぎて頭おかしくなったんじゃね?w」

なぜ笑わられているのかわからなかった。昨日習ったことを言っただけなのにわらわれるのはおかしいからだ。

「織田信長が俺らと同じ時代から来たとかありえないだろ。」

佐藤先生が俺に追い打ちをかけてきた。

俺はいまだにこの状況を理解できなかった。とりあえず深呼吸し、周りを見渡すとお世話ロボットも自動ドアもない俺の知っている光景が広がっていた。そして日付を見ると6月9日のままだった。その瞬間に俺は全てを理解した。

「あぁ全部夢だったんだ」

そして俺は心に誓った。もう一生授業で寝ない。

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