ライトノベル、ノンジャンル。応募受付期間終了時点までに本文が5万字以上であること。なお、長編、連作短編等小説の形式は不問といたします

鷹山トシキ

第1話 ブロック・ブレイカー・クロニクル

 世界は、巨大な“ブロック”で構成されていた。

 空も、大地も、建物も、果ては人の記憶すらも。


 ――そしてそのブロックは、ある日突然、崩れる。


 俺、朝倉レイジは、ただの落ちこぼれ高校生だ。

 数学もダメ、運動もダメ、唯一得意なのは昔から遊んでたブロック崩しゲームくらい。

 そんな俺が、ある日校舎の屋上で目覚めたら……世界の半分が“崩れ落ちたブロックの瓦礫”に変わっていた。


「君が《ブロッカー》か」


 銀色の髪を揺らし、現れた少女がそう言った。

 彼女の名はリュミナ。この世界の“構造”を修復する使命を背負った存在らしい。


「君の手で、壊れたブロックを繋ぎ直せる」

「……え、俺、ただのゲーマーなんだけど?」


 だが俺の目の前に浮かんだのは、見覚えのあるインターフェース。

 ――昔からやっていたブロック崩しの盤面だ。

 ただし違うのは、崩したブロックが現実に反映され、欠けた街が再構築されていくこと。


 やがて現れる“バグ”と呼ばれる怪物たち。

 彼らは世界のブロックを喰らい、記憶ごと消し去る。


「守りたいなら、壊すしかない」


 ブロックを積み、崩し、また繋ぐ。

 ゲームと現実の境界が溶ける中、俺は気づく。


 ――この力は、遊びじゃない。

 大切な仲間と街を守るための、最後の砦だ。

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