第26話 おかえり


「実は…」


「おっとその前に入ってきて来てください」


そう鍵沼さんが言うと陰陽五大家当主達が

事務所の2階に入ってきた。


「楓…バカ、バカ心配かけて、本当に死んじゃったかと思ったじゃないか」

そう紫苑さんがいい楓さんにサングラスを渡した。


「紫苑…しぃちゃんありがとう…本当にごめん!」


「宍倉!貴様…騙して…」

琥珀君言った時


「楓ちゃん話して全て…」二葉さんが声をかけた。



「はい…お話しします。」


「俺は山でなんか手掛かりないか探ってたら荒吹が使役してた怪異に襲われて死んだんです。」


「え?おばけ?」


「瑠璃違う…死んだように見せかけるため身代わり人形でなんとかやり過ごせたんです。」


「なるほどな…」


「その後、怪異にされたじゃない?」


「あれも身代わり人形で念を込めてなんとか出来たんです。」


「しばらく、隠れて様子見て、荒吹が八雲聖と会っているのを見て八雲聖を拉致って成り変わったです。」


「拉致って、本人は?」


「本人の記憶を読み取って、その人の記憶を消したんです。」


「そんなこと出来るんですか?」


「宍倉家の秘術みたいなものかなだよね…楓」


「うん…それで、なんとか入り込めて探ってたんです。」


「その組織の名前は?」


「なんか、ダサいんですけど…百鬼夜行らしいです。組織名」


(そのまんまかい!?)


ホワイトボードに楓さんは書き出した。


ボス 芦屋道満


メンバー

クオン(がしゃどくろ)

新羅学

女郎蜘蛛

笠子愛美

ななし

玉藻 (九尾)

酒呑童子

荒吹

博士



「以上俺が潜入した時に知ったメンバーです。」


「新羅だと!」

「龍之介さん知り合いですか?」

「あぁ…私の弟子だ」


「そうなのか!四宮さん」

「間違いないはずだ…」

少し重い空気になった。


「話、続けますね…その後陰陽五大家の家を10月頃に奇襲すると言ってたんですが、何故か今日になり、陰陽五大家とショッピングモール、地下鉄、遊園地各地を襲うと言う計画になったんすよ」


「え?じゃあ他のところはもう…」


「安心してください。事前に二葉家、三森家、四宮家には、守札渡したんで死者0で済んでます。」


「楓!なんで私達の方には」

「そうだぞ!危なかったんだ」

「2人を信じて任せたっすよ」

2人は顔を見合わせてやれやれという風になった。


「それで、1人じゃあ難しいんで、一星家先代当主翡翠さんにショッピングモールを五色家先先代当主蘇芳さんに地下鉄を任せたんです。」


「いつのまに!」


「帰る途中連絡もらって」


ホワイトボードに書き直した。


ボス 芦屋道満


メンバー

クオン(がしゃどくろ)

新羅学 捕まえた

女郎蜘蛛 祓った

笠子愛美 捕まえたが死亡

ななし  逃げられた

玉藻 (九尾) 魂になった

酒呑童子  逃げられた

荒吹  捕まえたが、ななしの助けにより逃亡

博士


「こうなったそうです。」

「笠子という人は何故死んだ」

「それは、何か叫んで自分自身でらしいです。」


「協力もあって人はみんな無事です。」


よかったという気持ちになったみんなであった。


「ななしと言うのは誰なんだ?」


「すみません…人なのかどうかもわかりません。」


「じゃあ、博士というのは?」


「その人に関してもなんもわからなかったんすよ」


「後、1人じゃあ〜難しいんで、鍵沼さんにも協力してもらったんす」


鍵沼さんを一斉にみんなが見る


「社長!いや、鍵沼!知ってたんか!」


「いや、ごめんほんとに僕もいきなり楓君が現れてこの話されてびっくりしたもん」


「でも、楓さん無事でよかったです。おかえりなさい!」


「瑠璃…あぁ、ただいま」


「結構いい雰囲気だけど楓っちさ〜

春姉ぇを助けてくれてありがとう!」


「いいんだよ…」


すると、

「霞美ちゃん?」

「春姉ぇ!」

三森千春さんが目を覚ました。


「おかえり!春姉ぇ」

泣きじゃくる霞美さん


「泣きすぎだよ…霞美ちゃん…ありがとう助けてくれて宍倉君」


頷く楓さん


「今のメンバーで、おかえり会今からやりますか!」

「社長にしては良いこと言いますね!」


こうして、楓さんと三森さんが帰ってきたことで、何でも屋「カギヌマ」事務所が宴状態になった。


楓さんとベランダで2人きりになり気になることを聞いた。

「美久ちゃんはやっぱりもう」

「生きてんぞ…けど怪異にされた状態だけどよ」

「え?どうやったんですか?」

「怪異になった美久ちゃんを捕らえて、その間は身代わり人形に演じてもらったんだ」

「美久ちゃんは…」

「今、二葉さんに家の地下に封印した状態で眠ってる」

「よ、よかった〜」

「すまなかったな…」

「生きていればいいんです!」

2人で顔を見合わせてニコリと微笑んだ。

ー 百鬼夜行隠れ家 ー


「災難だったね…みんな」


「すまない芦屋!まさか聖が裏切るなんて」


「あれは、聖ではないぞ酒呑童子」


「それはどういう事かな玉藻」


「奴は、変装を解いた後、他のものから楓と呼ばれていた」


「…か、かえでダド このわたしがころしたはずなのに」


「生きていたのだね荒吹君…ななしもご苦労様


「…」


「どうやら、他のメンバーは捕まり、自死、祓われたようですね芦屋様」


「博士か、そのようだね…少し時間をおいて、出直そうか」


そういう、みんな頷いた。


解散後、

「きゅうび…」

「なんだ荒吹よ」

「ちからをかせ…」

(こやつの体を奪えばなんとか復讐できそうじゃな)

「いいぞ」

そういうと、荒吹の体に入る玉藻

微笑んでいたが、顔が曇った

(何故体を奪えぬ…きゅ、吸収され…)

「はぁ〜やっとまともな感じになれた」

「すごいじゃないか荒吹君」

「博士か、あんたのおかげでもあるな」


(これで鍵沼達に復讐できる)

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