第44話 連絡




その夜わたしはフミアキにラインした


『いろいろごめん わたしも話しがしたいと思ってる

とりあえず明日の昼休み時間つくってほしい」


書き終えてもう戻れないって思った

なんにも知らない気づいてない自分には戻れないって思ってた あとはフミアキと話してどうなるかってことだけだった

わたしはフミアキになにを話すんだろう?

フミアキはわたしになにを言いたいんだろう…

また答えの出ない疑問だけが頭を巡る


ーピコピコー


フミアキからの返事だと思いすぐにラインを開く

あんますぐ既読にしたら待ってたみたいでやだな、なんて思わなくもなかったけど


『ごめん 明日は弟を病院に連れてかなきゃで学校休むんだ 今日小学校でケガして帰ってきたんよ』


え!? 心配すぎるじゃん 弟くん、カイトくんだっけ大丈夫なん?!?!


『え? 今は大丈夫?? 心配すぎる ちゃんと病院連れてってあげて!』


わたしはカイトくんにオトヤを重ねてしまって気が気じゃなかった


『今は大丈夫 明日病院連れてくのも念の為だ ありがとな』


その返事に少し安心する…安心したらいろんな覚悟をしてた自分には肩透かし感も出てくる


ーピコピコー


立て続けにフミアキからのライン


『夕方 部活終わってからでも会えんかな?』


フミアキからの誘いにわたしの顔が綻ぶ


『そっちがいいなら いいよ 場所はどこにする?』


きっとあの場所を言うはず わたしはフミアキの返事を先読みして待ってた


ーピコピコー


「公園だな笑」


だろうな! 正解!! わたしの顔は綻びからニンマリに変わってた


「5時30分に公園行く! フミアキは慌てんなよ! 弟くん優先だからね!」


そう書いてわたしは満足してた

フミアキからの返事はスタンプだった


明日自分がどうなるかわかんなかったけど もうなるようにしかならないって思ってた

ただこうして素直に話せたことが嬉しかった

ずっと動けなかった自分が動き出してる

こうなるまで時間がかかってるのか早い方なのかわかんないけど 今はじっとしてらんない気持ちになってる

どこまでも自分勝手だなって思ったけど今は居ても立ってもいられなかった




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