第26話 買い出し作戦



ひさしぶりに来たショッピングセンターはやっぱり賑やかだった

週末ってこともあって大勢の人が来ていた


「さっさと買い出し済ませちまおうぜ 人多いの苦手なんだよ」


「それわかる わたしも人多いの苦手 なんか疲れるんよね」


なんて二人でダラダラ話しながら買い出しメモを見ながらお店を廻った


つど寄り道しそうになるわたしをたしなめながら本条くんはまるで任務を遂行するかのように的確に買い物を済ませていった

本条くんがテキパキと買い物を済ませてくれたおかげで1時間ちょっとで買い物は終わった


「これで最後だよな 全部買ってるよな?」


わたしと本条くんは中身とメモを確認する

そこそこ荷物もあるから確認するのも面倒だった


「OK! なハズ」


わたしは確認報告をする


「ハズじゃダメだろ OKなんだな?」


「間違いないから 全部みたし」


「んじゃハズなんてつけんな」


なんよ堅苦しいなー はずみとか口癖とかあるかもじゃん


「はいはい」


「ハイは一度にしとけ」


学校より喋るのはいいんだけど口うるさいのはまたちょっと違うんだぞ なんて言葉が頭をよぎる


「んじゃ荷物ロッカーに預けて休憩しようぜ」


「え? まじ!? そんな気が利くの?」


思わず声が上ずる さっきまでの本条くんじゃすぐ帰るって言い出しそうだったのに


「やることやってから好きにしたらいいんだよ 最初から遊び気分だったら絶対忘れ物するからな それに買い物にも時間かかる」


なるほどね なにも楽しむ余地ない人じゃなかったんね そうとわかれば、


「もうすぐお昼だしフードコート行かん? 喉渇いたし少しお腹空いた」


「それな! おれも提案しようと思ってた!」


なんか今日初めて意見が重なったんじゃない?

やっぱ本能にまで訴えかけるとこまで行かないと本条くんとはわかりあえないんじゃないかと思ってしまった 大げさだけど


フードコートで買い出しや文化祭について本条くんと話した わたしが調子乗って買ったLサイズのポテト食べきれなかったの食べてくれた


その後もショッピングセンターあちこち見て廻った

買い出しにかかった時間よりも長い時間

少しお互い好きなとこ見ようってなって自由時間もつくったりして 待ち合わせ時間だけ決めてた

何度も来たことあるショッピングセンターだったけど今まで以上に楽しかった

一人でお店見てても楽しかった 楽しんでた

自由時間なのに本屋で二人鉢合わせなって笑い合った

結局自由時間の終わりはお互い本屋で迎えた


「んじゃ ぼちぼち帰るか どうする神楽?」


そういってわたしに聞いてくる本条くん


「うん満喫した! 楽しかった! 帰ろ!」


ロッカーから買い出し荷物を取り出してお互い両手に持つ 少し重たい荷物は本条くんが自主的に持ってくれた おやつの時間は過ぎてたけどおやつは食べたいって思わなかった




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