202508

望乃奏汰

8月は鉄錆の色をしている

海はもう枯れてしまった この船は君をどこにも運べなかった


ぎちぎちの空白に押しつぶされた自意識の僅かに残る鉄錆の色


信号が真っ赤に染めた左目に正しい人はもう映らない


曖昧に結ばぬ像の中に見る淡い地獄を数えて回る


鈍色になった頭を致死量のロマンティックでぐちゃぐちゃにして


「壊して」が渇いた喉に絡まって息もできないままに溺れた


顬を撃ち抜いていく空砲の形を成したヘクトパスカル


焼け落ちた黒で描いた風景画 汚した指を口に含んだ


浮遊する衛星都市の外側で観測されぬ星に触れてる

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