ep.21 仕官の細作
登場人物
眼尻に小さな
「
「…………?」
聞き覚えのある名だった。介象は
「廉武とは、陳国の廉武のことか――⁉」
「左様でございます」
巩岱は、安堵して口辺に微笑を刷くと
「廉武……廉氏の生き残りであったあの
思い出したような
声を発した亀に、巩岱は驚きを見せることもなく、
かつて、介象が介象と名乗る以前、陳国で起きた騒動の巻き添えとなった童子に手を貸したことがあった。その童子の名が廉武だった。
「懐かしいな。廉武はどうしている?」
介象は、顔を
「廉武さまは、祖父君と同じ陳国の
「あの泣き虫が、卿となったか――⁉ これは久方振りに愉快な話を聞いた」
声が大きくなった嬉しそうな介象に、巩岱は
「今や廉武さまの手腕により、陳国は安泰。囲っている万の私兵も精強でございます。
「巩岱と云うたな?」
いつまでも
「はっ」
「お主の素性を申してみよ」
「
「
巩岱は、顔を上げると冴えた瞳で元緒を見遣った。
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