なんだかんだで11話



 なんだかんだで、氷漬けになったダーくん。


 十二使徒のダイヤモンドを退治しても、ダーくんは氷漬けになったままだった。


 ダーくんは、氷漬けになったままで終わってしまうのか!?


 しかし、村に着く頃にはダーくんを閉じ込めていた氷が、なんだかんだで溶けてダーくんは息を吹き返した。


 ダーくんとアンが村を歩いていると、氷漬けになっている人間を見かけなくなった。


 どうやら氷が溶けて、みんな息を吹き返した様だ。


 そして、あの年寄りと少女にまた合った。


「おお、勇者様。ダイヤモンドを倒してくれたのですね。氷漬けにされた者達は全員、氷から解放されましたのじゃ。」


「ふーん。そうなんだ」


「我が孫のジェシーの両親も蘇りました。感謝致します。ありがとうございます。勇者様」


 ジェシーは、ダーくんの目の前に着て、言葉を話した。


「あ······ありがとう······勇者······ありがとう······」

 

 少女は目から涙を流しながら、ダーくんに感謝の言葉を伝える。


 ダーくんは思った。この村に残ればジェシーをなんだかんだで彼女にできるかも知れない。


 しかしジェシーのジイさんが、


「ゴッカン島は救われました。他の女神像の光を取り戻すために旅に出られるのですね」


 ダーくんは、ここに残りたいと言いたがったが、ジイさんが余計なことを言う。


「この村から南に進めば、船着場のある町に行けますのじゃ」


 アンが、大きな手をダーくんの肩にのせて、


「船着場のある町に向おう」


 ジェシーが、


「ありがとう。勇者。そしてさようなら」


 ダーくんは、ここに残ると言えず。


 思春期のせいか、本音を言えずにカッコつける。


「ジェシー。どうせなら涙ではなく、笑顔で見送ってくれないかい」


 ジェシーは涙をハンカチで拭き、笑顔をダーくんに見せた。


「勇者。さようなら。さようなら勇者」


 ジェシーの笑顔に見送られ、ダーくんとアンは、村を出て南に向かう。


 途中、モンスターが出たが、アンがモンスターを倒してくれた。


 やがて、ダーくんとアンは、船着場がある町に着いた。


 なんだかんだで船着場を見つけた。


「あの大きな船に乗るんだね」


 アンは、腰にぶら下げているカネの入った布袋をダーくんに手渡した。


「ダー。オレは雪男だ。暑い場所は苦手だ。ここでお別れだ」


「ふーん。そうなんだ」


「ダー。オレには、今までに友と呼べる者がいなかった。だが、ダーは、唯一の友だ」


「ふーん。そうなんだ。アンはボクの命の恩人だよ。ボク達は友達だよ」


 なんだかんだで、ダーくんは船に乗り、船の上からアンに手をふった。


 アンも手を振り返した。


 ダーくんを乗せた船は、ゴッカン島から離れて行く。


 十二使徒の一人は倒した。


 あと、十一人。






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