光と影の絶妙なバランス

「きみでもきみの霊でもない」という、
ミステリアスなタイトルに惹かれました。

光と影のバランス感覚が優れていて、
作品全体に不思議な透明感があります。

後半では、恋の歌が出てくるのですが、
どうやら成就しない恋のようで、
悲しみと切なさが滲み出てくるのを感じました。

イメージの展開の巧みな口語短歌集です。

推し短歌1首。

光だと安易に決めたものすべてへと蝶が、それ以外に灰が