長引きし苦痛に彷徨う世まさに美しき日かな

よいち

長引きし苦痛に彷徨う世まさに美しき日かな

①気怠げな嗚咽ツイート通知待ち 鬱と言いつつ絵を投げるだけ

(けだるげな おえつついーと つうちまち うつといいつつ えをなげるだけ)


②溶けだした怒りと殺意も衰えろと 思いつ悟り書いた詩だけど

(とけだした いかりとさついも おとろえろと おもいつさとり かいたしだけど)


③枝垂れ舞う桜の美し現憂し 苦痛の落差生まれた詩

(しだれまう さくらのうつくし うつつうし くつうのらくさ うまれたし)


④今しがた潰えた仲が見切りあり 君が彼方へ行ったが仕舞い

(いましがた ついえたなかが みきりあり きみがかなたへ いったがしまい)


⑤泣いたけど遠ざかる日は老いる性さ 涙を浴びる傘を届けたいな

(ないたけど とおざかるひは おいるさがさ るいをあびるかさを とどけたいな)


⑥辻褄なく何処にも遠いけど居たい 時計お供に孤独な末日

(つじつまなく どこにもとおい けどいたい とけいおともに こどくなまつじつ)


⑦西は暗く夜へ漕ぎ出て走り去りし 果てで聴こえるよ苦楽は詩に

(にしはくらく よるへこぎでて はしりさりし はてできこえるよ くらくはしに)


⑧死別まで心燻して厭い合い 溶いて渋色ここで待つべし

(しべつまで こころいぶして いといあい といてしぶいろ ここでまつべし)


⑨噛んだ首秘密の夜は潰え消え 偽る夜の罪響く短歌

(かんだくび ひみつのよるは ついえきえ いつわるよの つみひびくたんか)


⑩月を追い仕舞った憎さ嘘のよう 夜の創作に魂を置きつ

(つきをおい しまったにくさ うそのよう よのそうさくに たましいをおきつ)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

長引きし苦痛に彷徨う世まさに美しき日かな よいち @yoichi9610

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画