第3話 日巫女の宝玉
俺は青龍ビル内の部屋で異世界の大魔女ソフィーからの情報を元に玄太さんと椿さん3人で打ち合わせをしていた。
「勇者様は今後どうお呼びすれば宜しいのでしょうか」
「シンジと呼んでくれ」
俺は日本に来て常に気配を消しているし、認識阻害の魔法も使っているので俺の存在を感じることが出来る人間は少ないはずだ。
「玄太さんには早急に味方の中にスパイがいないか洗い出しを行って欲しい」
「
「そうだろうと思って特別な物を持ってきた」
そう言って俺はスキルオーブを取り出した。
「これは鑑定のスキルオーブ。使用すれば鑑定眼のスキルを得る事が出来る超貴重なものだがこれを玄太さんにやろう」
「本当ですかありがとうございます。けどそんな便利な物は今迄見た事も聞いた事も御座いませんが」
「当然だ、だから超貴重品なんだ」
そう言って俺はスキルオーブを玄太さんの胸に押し当てて魔力を流す。
「何かが体の中に入った気がしますが、よく分かりません」
「対象物をみて鑑定と念じてみてください」
「・・・・・何か見えましたが特に情報は有りません」
「ごめん人物鑑定は言い方は悪いが俺のように玄太さんより強者の事は見る事が出来ないんだ。
すまないが物や違う人で試してみてくれ」
「少し時間を頂きます」
玄太さんは部屋を出て行った。
「椿さん日巫女が生れる少し前位に術師系の人が複数人死んだことが無かったかい」
「そうでありんすなぁ、確かに白虎家の大巫女一人と星読みの巫女5人、それに霊媒師も10人が同時に亡くなった事がありんした」
「そうか日巫女の件は白虎家が関わって居そうだな」
「あの時既に白虎は敵の手に落ちていたでありんすか」
「俺は白虎家を探って来るので場所を教えてくれ」
「京都の鞍馬山にありんす」
「今夜にでも覗きに行ってくるよ」
そこえ玄太さんが興奮して帰って来た。
「シンジさんこんな素晴らしい物を頂いてほんとに宜しいのでしょうか?」
「問題ないけど内緒でな、それとさっきも言ったけどそれで鑑定出来ない人物に有ったら一目散にその場から逃げた方がいいぞ」
「心しておきます」
「玄太さんスキルオーブの代わりと言っては何だが、俺に滞在用の部屋を準備して欲しい。それと現金も少し欲しいな」
「かしこまりました。現金は直ぐにでも、後は明日までに部屋とクレジットカードを準備します」
「それと玄太さん、あとで青龍忍軍全員の実力を見たいのでその機会を作って欲しんだけど」
「かしこまりました。3日後の夜このビルでどうでしょうか?」
「それで頼むよ」
その日の夜、京都に転移した俺はいま鞍馬山上空から下を眺めていた。
眼下には3か所結界が張られた場所がありその内の一つが地下を流れる龍脈と思われる力場の直ぐ近くに有る。
地上に降りると鳥居が立ってて結界が張られていた。
場所を隠している結界が場所を教える事になるなんて敵さんも
洞の中の道を階段と合わせて下に降りていく、かなりの距離を歩くと又鳥居が有り、辺りが明るくなった。
鳥居を過ぎると空間は広くなり妙な気配の僧兵が三人いる。
俺は気配を消して奥に見える
僧兵二人は俺に気が付かなかったが、一人が気づき俺に襲い掛かって来た。
驚いた天狗だ。人間離れした速さで錫杖を振りまっわし俺に殴りかかって来たが遅い、ブルーオーガ程のスピードも無いし惰力もオーク程度かな。
仲間の天狗の動きをみて俺に気が付いた二人の天狗も薙刀と刀で斬りかかって来た。
『俺をを殺そうとしたんだから俺に殺されて文句はないよね』
俺は一呼吸で3人?三匹?の頭を斬り落として収納に納めた。
社の中に入ると祭壇にドラゴンの魔石位大きな水晶玉が祀られていた。
鑑定してみると、青龍
目的の宝玉を収納して帰ろうとすると社の奥から弱いが人の気配がある。
奥を覗くと岩牢に白髪頭の爺さんが横になっているので鑑定すると、白虎家元当主 白虎 剣山 どうするか一瞬悩んだが連れて帰る事にした。
起きて騒がれると嫌なので、≪スリープ≫をかける。
爺さんを拾わなければ白虎家の内部も見たかったが今回は真っすぐに帰る事にした。
白髪頭の爺さんを連れて青龍ビル内の前に打ち合わせした部屋に転移すると直ぐに玄太さんが部下を連れて現れた。
「シンジ様お疲れ様です」
「おつかれ、玄太さん悪いけどこれの処理を頼む」
「この爺さんも拾って来たが知ってるか、白虎家元当主 白虎 剣山だ」
「はい存じておりますが、20年程前から行方不明ときいておりました」
俺が天狗の死体を収納から出すと玄太さんの部下たちが直ぐに部屋から死体が運び出していく。
「椿さんは何処にいる」
「今日は帰られましたが」
「そうかすぐ俺達も行くので玄太さんは10階の
俺は玄太さんにそう伝え直ぐに椿さんの家に転移した。
椿さんは和服姿で微笑んで俺を迎えてくれた。
「
「はい主さん」
俺と椿さんは青龍ビルの10階に転移すると部屋には玄太さんの他に
魂の封印された宝玉を横になっている
そしてスキルオーブの要領で軽く宝玉に魔力を流し本来の体に帰れと願うと、
宝玉が淡く輝いて割れた。
≪ 鑑定 ≫
名前:青龍
年齢:19歳
種族:人類
職業:日本の女王
状態:やや弱っている
≪ 治癒魔法 : ハイヒール ≫
「これで大丈夫だ。魂はしっかり帰っているので後は食事をしっかり取らせて状態が良く成ったら軽い運動もな」
「勇者様有難う」
「小太郎様誠にありがとうございます」
玄太さんは相変わらず腰を90度曲げて礼をしたまま頭を上げない。
椿さんは優しい眼差しで日巫女をみていた。
俺は照れくさかったので、話題を変える。
「玄太さん、俺が倒して持って来たのは伝説の天狗だったか?」
「私も分かりかねておりますが白虎様が起きましたら明日にでも聞いてみます」
「主さんは
「いや、白髪頭の爺さんで確か
「良かったでありんす、一瞬女ボケした
「天狗は実在したんだな」
「これで、日巫女と神月が揃ったのう、喜ばしいことでありんす」
その後、俺は椿さんの家で料理と酒をご馳走になっていた。
「主さんは凄いでありんすな~、一夜で日巫女を助けて、一夜で
「冗談を言わないで下さいよ・・・」
俺の言葉を遮るように椿さんは立ち上がり帯を解き着物が畳の上に落ちた。
『美しい・・・・』
そのまま俺の意識は囲炉裏の横で溶けていった。
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