第12話
あれから2週間が過ぎ今日から新しいカリキュラムが始まる。俺達4人は新しく始まるカリキュラムを楽しみに孤児院にある講堂に来ていた。
講堂には机と椅子が並べられており、20人程の人数が集まれるようになっている。目の前には黒板と白色のチョーク講堂は木造な為、木のいい匂いが建物内にひろがっている。
「おはよう、竜太、霞、優斗」
「やぁ、おはよう暁仁」
「おはようございます〜暁仁」
「おはよう暁仁」
「お前ら借した本読み終えたか?」
「うん、読み終えたよおかげで陰陽師についてある程度の知識は身についたよ」
「ありがとございます〜暁仁」
「僕は礼なんて言わないからな」
「はいはい」
「そういえば、君達は今回ホームの子供以外全員が今日から陰陽道のカリキュラム一緒に受けることになった話を聞いてるかい?」
「え〜そうなんですか?」
「雪と秀一も一緒かよ」
「賑やかなでいいんじゃないかな?」
「そういえば例の2人は?」
「僕達より年上の子供7名は内容が追いつくまでは土田さんの教育を受けているとのことだ」
「あいつらに教えてもらうわけじゃないんだな助かった〜」
「その他の10名は今この場所にいるってことか…」
「もうすぐ始まるみたいですよ〜」
俺達はそれぞれ席につき橘兄ちゃんが来るのをまった。すると扉が開き若い男性が教壇に立つ…
「やぁ、皆おはよう今日から君達を教える橘孝介だよろしくね」
「「よろしくお願いします」」
「きゃ〜イケメンですね〜」
「優しそうな人だね」
「僕と同じくらい、いい男だね」
「確かにイケメンだよな」
「さて、まず君達の名前を僕に教えてくれないかな?」
それから俺達10名は橘兄ちゃんに名前を名乗り始めた。
「よし、それじゃあ早速陰陽師について説明していこう」
それから橘兄ちゃんは読んだ本と同じ内容そして俺が師匠から教えてもらった内容を皆に話始めた。
ただ、その話に印と祝詞の話が出てこなかった。俺は違和感を覚えた…
「ここまでで質問はあるかな?」
「こういったカリキュラムは他所の子供も僕達と同じ内容を学ぶんですか?」
優斗が橘兄ちゃんに質問をなげかけた
「いいや、普通は12歳他所では中学生の子供が義務教育の一環として学び、より専門的なことは陰陽師専門の高校又は大学で学ぶかな」
「なんで俺達だけこの歳で学ぶんですか?」
孤児院の一人がそう質問した。
「さっき説明したように陰陽師は人材不足でね。日本の人口の一億人中、3級以上の戦える陰陽師は2000万程残りは4級又は一般市民がほとんどそれにくわえ最近じゃあ上級以上の霊災が増加傾向ときた…それで身寄りのない子供に陰陽師としての教育を施し君達を戦えるようにして将来きたる日の特級霊災に備えようというのが国の考えなんだ」
わかっていた自分達は他所の奴らを守るために教育される捨て駒なのだとなんで彼奴等のためにそう思いつつ全員が納得してしまっているこれが国の現状であり社会の奴らの本音なのだろうと…
「さて、暗い顔はそこまでにして今日は陰陽師の基礎中の基礎、陰陽五行についての説明だ」
「陰陽五行とは、もともとあった陰陽説と五行説を合体させたものを陰陽五行と言うんだ」
「まず、陰陽説はあらゆる物事を陰と陽でわけた考え方を指すんだ例えば太陽と月とかね。その相互作用によって変化するという思想が陰陽説」
「逆に五行説は万物を構成する要素を5つに分け、これらが相互に影響をあたえ自然のサイクルや関係性を作り出すという考え方をさすんだ」
「これを組み合わせたものを陰陽五行説っていうんだここは資格取得では絶対に出るからね覚えてて損はないよ」
「五行説で分けた5つの要素ってなんですか?」
「いいところをつくね。その5つの要素は…木、火、土、金、水これを五芒星にすると自然のリサイクルの完成だよ」
「やべ〜、いきなり難しいよ…」
「さて、皆次説明するのは、陰陽術について説明していこうか」
「さっきの陰陽五行を利用して平安時代に作られたものが一般的な陰陽術なんだ、そこから第3次世界大戦中に作られた陰陽術が帝式陰陽術、その50年後開発されたものが戦闘式陰陽術、そして、150年前前の特級霊災中に開発されたのが省略式陰陽術今ではこの略式が一般化され色んな分野で使われているわけなんだ」
「何が違うんですか?」
「帝式は、もともとあった陰陽術に仏教の考え方が加わったもので機械に何かしら作用させる事が特徴かな例えば自律型機械人形がいい例だね」
「戦闘式陰陽術は武器に作用させる考え方武器に陰陽術を加える事が基盤となっているかなその技術を纏いとそう読んでいる」
「省略式は長い術式を最適化しより早く術を使う為に開発されたもの」
「例えば…「火炎玉」」
橘兄ちゃんはポケットから1枚の札を取り出しそう唱えた。すると橘兄ちゃんの札が消え変わりにサッカーボールくらいの火の玉が橘兄ちゃんの掌に現れた。
「お〜」
「すげー」
「きれい」
俺が師匠の言葉に違和感を持った瞬間だった
「今じゃあ専用のデバイスでの発動が可能になっているから楽なんだ」
俺は質問すべきか悩んだが橘兄ちゃんに聞いてみることにした。
「橘兄ちゃん陰陽術には印は要らないの?」
「…使う人もいるけど今の人達はほとんどが使わないんだ必要な氣を使用し簡単に陰陽術が使えるんだよ」
まさかとそう俺は思ってしまった…
「じゃあ引き続き始めようか」
そう言ってカリキュラムは引き続き行われた。
俺はカリキュラム終了後急いで師匠のもとに急ぐことにした
「師匠!」
「どうした?」
「省略式陰陽術について今日学んだ。でも、師匠が言っていた祝詞や印の話は出てこなかった。まさか…今の陰陽師は弱くなっているの?」
「…間違ってはいない、今の陰陽師は氣を使用して簡単に術を使うすべを見つけたんだが欠点が一つ殲滅力が減ってしまったわけだ、氣の循環をおろそかにし速さだけを突き詰めてしまった結果…数体対1はできるものの肝心の破壊力が下がってしまった。だが間違えが一つある。けして弱くなったわけではないただ破壊力が下がっのは確かだ」
「一つ聞いていい?」
「何だ?」
「師匠が俺に教えようとしてる陰陽術って何?」
「お前さんに教えようとしてるのは平安時代より最昔に開発された古式陰陽術だ」
「古式陰陽術?」
「最初の陰陽師達が使っていた古い陰陽術だ今となっては使い手が余りいないがそれでもお前さんには才能がある」
「教えてよ…古式陰陽術俺はもっと強くなきゃいけないんだ今すぐに」
「いいだろう。本当は氣の循環を常時できるようにしてからのつもりだったんだが仕方ない…ただし剣術の稽古は続けるぞ」
「え〜、なんでだよ」
「略式は発動が早いから接近戦も覚えなきゃやられるぞそれと氣の循環も忘れるな」
「マジかよ」
こうして、今日も師匠との特訓が続くのだった。
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