第1話

 魑魅魍魎がばっこするこの世界で、日本には陰陽師という独自の組織が存在しこれを払う事を生業とするだけでなく天気、建築、軍事あらゆる視点でこの陰陽師は活躍していた。そんな中、日本は陰陽庁を設立し日本は海外のエクソシストと対になるように勢力を強めていった。


 そんな中、日本のとある田舎にある孤児院で過ごす子供達は、そんな事を知らずに日々を一生懸命生きている。


「うゎー、親なしあきとだ〜近づいたら何されるかわからんぞ逃げろ〜」


「あぁ💢」


「ぎゃぁーー」


 そんなやり取りをしつつ怒りに身を任せて人を何度も自分の拳を叩きつけ殴り飛ばした。


「かぁさ〜ん」


 そう泣きながら親のもとに逃げていく奴らを俺は羨ましく、疎ましかった。


「大丈夫?こうなるから親なしの子供には近づいたら駄目って言ってるでしょ。」


「見てあの顔と凶暴性、獣じゃないんだから」


「ほんとよね〜、こんな所に一人で何しに来たのかしら?」


「遊ぶ相手がいないんじゃない、早く帰ってほしいわあんな恐ろしい子」


 そう言って向けらるのは、憐れみと嘲笑だった…


「チッ…」


俺は、逃げるかのように孤児院へ戻った。


「ただいまー」

「お帰りなさい」


 そう言って帰りを待ち構えるかのように一人の女性が立っていた。


「卯野さん…」

「今日も暴れてきたの?」


 卯野さんは、そう笑顔で俺に話しかけてきた。俺は、卯野さんの顔を見ながら心の中でこう思った。


(ヤベー、ブチギレていらっしゃる。どうしよう。逃げるか…誤魔化すか…)


「す、すみませんでした」


「また暴れてきて、いい加減に他所の子供と喧嘩するのはやめなさい全く…明日は、罰として土田さんの草むしり手伝ってきなさい。わかった?」


「わかりました」


 そう言いつつ、俺は孤児院の2階にある自習室へと本を読むために向かった。


「はぁ〜」


「ため息なんてついてみっともない、また、顔に似合わない読書でもしに来たのか?」


そう言ったのは2つ年上のいけ好かない男だった。


「喧嘩を売っているのかな?買ってやろうか?んっ?」


「誰がお前なんか相手にするかよ。アホくさい。お前に割く時間が人生で最も無駄だ。断る」


「お前こそ…」


「また、やってるの二人共」


「げっ…」


 そう言って、話に割り込んできた女が一人


「げって何よお姉ちゃんに向かって可愛げのない子供ね〜」


「誰がお姉ちゃんだ、そもそも2つしか歳違うだけでお前もガキじゃねえかー」


「雪、俺とコイツを一緒にするな」


「秀一だって暁仁にちょっかい出してる時点で似たものどうしじゃない何が違うの?」


「…」


「お前、雪には本当に口で勝てないよな」


「それで、暁仁はまた顔に似合わない読書でもしに来たの?」


「お前も言うのかよ…いいじゃねぇか本読むことしかやることないんだから」


「そういやぁ聞いたわよ。アンタまた他所の子供殴り飛ばしたんだってねー」


「お前また、卯野さんに迷惑かけたのかよ。これで何度目だ」


「い、イヤ~」


「で、今回は何が原因なの?」


「…親なしって馬鹿にされたからカチンときて」


「ガキだな」

「ガキね」


「っ…お前らは悔しくねぇのかよ」


「悔しくないって言ったら嘘になるけどもう割り切ったわよ」


「気にしてても仕方ないだろ」


「そうかよ」


「あっ拗ねた」


「本当に子供らしい子供だよな」


「まぁ、そういう純粋なところがこの子の良いとこじゃない」


「何だか褒められてる気がしないのは、気のせいかな?」


(リーンゴーン)


 夕食の時間を告げる鐘の音が夕暮れと共に孤児院に響き渡る。


「話し込んでたら食事の時間になったわね。」

「せっかくだし3人で食事に行かない?」


「「行くか」」


 そんな話をしつつ人3人は、食堂へとむかうのであった。










  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る