[7日目]文化祭

今日は、近くの学校で文化祭があると聞いて、働き口を探しに入ってみた。


 校門をくぐると、模擬店の匂いがあちこちから漂ってきて、すでにお腹がすいてしまう。


 まず声をかけてくれたのは、クラスでたこ焼きを焼いている生徒たちだった。


「先生……じゃなくて、コアラさん、手伝ってください!」


 僕はコテを握って、丸い鉄板の上でくるくるたこ焼きを回した。


 うまくひっくり返せず、いくつかが三角形みたいになってしまったけれど、それでもみんな笑って「それはそれでアリ!」と拍手してくれた。


 次に呼ばれたのは演劇部。


 急きょ役者が一人来られなくなり、僕に白馬の役が回ってきた。


 四つん這いで舞台を歩くだけの簡単な役だったけれど、観客の子どもたちは大喜び。


 「本物の動物が出てきた!」と拍手がわき、ちょっと誇らしい気持ちになった。


 午後になると、美術部の展示室にも誘われた。


 「モデルになってください」と言われて、イスに座り、じっと動かずにいる。


 でも、眠たくてうとうとしてしまい、目を閉じていたら「眠るコアラのデッサン」として逆に好評だった。


 文化祭が終わるころ、僕は校庭の隅で一息ついた。


 焼きそばを分けてもらいながら、にぎやかな声を聞いていると、胸の奥が少し温かくなる。


 人の輪に混ざって働くのは、やっぱり楽しい。


 さあ、次はどんな場所で働けるだろうか。


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【あとがき】

ここからはピミイ視点でお送りするので、

ナレーターのほねなぴはフェードアウトします

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