第5話 ハーツ女史

「これはこれは。ようこそいらっしゃいました、ハーツ先生。ベストセラーおめでとうございます! ハハハ」


「ありがとうございます、レビュー支店長さん。どうもお世話様」


「恐れ入ります。毎回斬新なトリックさすがです。本日は当ハートスター銀行にどのようなご用件で?」


「支店長さん、実は少々印税をいただいたの。それで少ないけど星様を預かってもらいたいのよ」


「そ、そうでございましたか! ありがとうございます、すぐにお手続きをさせていただきます!」


 女流ミステリー作家ハーツ女史。眼鏡をかけたポニーテールの小柄な女性である。Web小説サイト出身の彼女は売れっ子の部類に属している。今回まずまずの額の印税を得た。それでこの日彼女は大量の星をハートスター銀行に預けたのだ。


 ただ、その星が本当に印税だったのかは不明だ。そもそもハーツ女史、Webサイト出身だけあってそのプロフィールは神秘のベールに包まれた人物である。

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