知らないギャル(もどき)とよく分からないトモ達になった、私と彼女の日々

侑雲空

第1章 知らないギャルとよく分からないトモ達になるのって、怖くないですか。

第1話

「わ、私ど……!!本のっ友達っどもだぢっ、本トモ、どもだちになってぐだざいっ!!」


「……はい?」


 放課後、カーテンが閉め切られ、照明もまともにつかない倉庫として使われている教室。


 そこにいるのはホラー小説を片手に持っている私、尾上悠(おがみ ゆう)と、ホラー小説どころか、小説・ホラーと単語ごとに分けても全く縁の無さそうなギャル。緩い校風なのもあり、髪はブラウンに染めていて、ピアスも空けて……まあ、メイクもしっかりしている、ギャル。


 そのギャルが、私に向かって低い声で、敬語で、涙と汗でぐちゃぐちゃになった顔を向けつつ、突拍子のない頼み事をしてきた。深々と下げられた頭は私の返事を待っているのか中々に上がらない。床には涙の跡がぽたぽたとつき続けている。


 いきなりの行動と発言に、思わず身じろぐ。この出来事に辿り着くには長い長い伏線が……あったわけではなく、昨日のとある出来事が理由だった。

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