空へと沈む世界観

@ryo_182-77

日記

ドアの向こうで笑っているのは私じゃない、けれども私の歯の音が壁に反響してる。

赤い針の時計は秒を飛ばして逆に沈み、カーテンの裏で誰かが呼吸を畳んでいる。

ああ、光が眩しい。光は紙を食べる。紙は私の名前を噛み砕く。

言葉が千切れた拍子に指先が三本増えた、数えても数えても七で止まらない。


――やめろ。

という声は私の口から出ていないのに、耳の奥でかき混ぜられている。

階段を上るたび、下るたび、踊り場に置き忘れた靴だけが増えていく。

ああ、空気は甘い。甘すぎて鉄の味がする。

それでもまだ、私は書き続けなければならない。書かないと、消えてしまう。

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