聖女になりたいと思っていた私ですが、なりゆきで魔王の下僕となりました💦

ミント

第1話 一般人の私ですが、聖女になりたいという夢があります

 はじめまして!私は華本愛奈です。

最近田舎の地元から華の東京へと上京してきて毎日の日々を楽しく送っていることができています。

けれど、正直気に食わないところももちろんある。

 まず、1つ目は家賃が高いというところ。

まあ、これに関しては十分理解していたが、やはり高すぎる。だが、高いだけ良い家もたくさんあるので、致し方ないとは思っているのだが、かと言って会社よりも離れてしまうと家賃は安くなるものの公共交通機関などを使わないといけなくなってしまうため、その面ではやはり、近いところ(則ち高い家)にしなければ行き来のしやすさが失われてしまうため、どうしても高い家を買わないといけないのだ。特に私が働いているような有名企業の場合、中心部に栄えるのがほとんどなため、結局は回避することのできない問題なのである。

 次に2つ目は信号機の多さである。

これは、気に食わないと言うより…

率直に言うと、不便極まりないものだと私は感じる

私は最近上京したからそう思うだけかもしれないがまあ私の実家は田舎の中のド田舎って感じなため

こんなにたくさんの信号機はもちろんなかった。

むしろ、なさすぎて事故が起こらないか心配するくらいだった。けれど、ここは信号機もたくさん整備されているにも関わらず事故が頻繁に起きているため、世の中はある意味少しよくわからないと思うところだ。


 少し自分語りが多かったような気がしたが…

まあ許してほしい。本当に最近上京したばっかで慣れないことがたくさんあるため、以前のように精神面が復活しないのだ。私はそこまでメンタルが弱いと思ったことはなかったがその言葉が今現在意味をなさなくなっている。

だが、逆に慣れていないところでいつも通りにするなどできるものではない。まあ、できる人もいるとは思うが極わずかだと思う。だって私がそうなのだから。


 そう。それはさておき、私には夢がある。

それは、転生系のヒロインである聖女になることである。


きっと、何言ってるの?とか

非・現実すぎでしょ!?とか


思う人たちしかいないだろう。だが、これは

転生アニメを見始めた中学1年生からの夢である

もちろん、夢はそれだけではなかったが第1希望は聖女になることだった。だから中学3年生の時の将来の夢を綴るレポートなんかは苦行にしか思えなかった。なぜなら、第1希望になりたいことはもちろん書けないし書いたところで冗談を書いているなどと先生から親に電話越しで伝えられることなど目に見えていたためである。だから、正直言って聖女以外の夢を語りたくない!やりたくない!と放棄したが、まあなれるわけがない。それは私にもわかっている。けれど、どうしても諦めたくないのだ。

誰かに将来の夢を思う存分話して、なれるわけないじゃん!という言葉などをかけてもらえればもしかしたら諦められたかもしれない。だが、それができなかったのは自分自身が傷つくのが分かっていたからだ。本当に情けない話で矛盾している話である。

批判や罵倒をされない為に誰にも言ってこなかったのに、自分のありのままを誰かにさらけだしてこの夢をあきらめさせてほしいと願うなど。


私はこのことを考えていると涙があふれ出してきた

もちろん、こんなことなんて今になって考えだしたわけではないが慣れない場所で精神面が抉られていることが重なってこのような行動を引き起こしてしまったのだ。


本当に子供っぽい。

こんなことで泣くなんて。

幼稚が過ぎる話である。

だが、ここには幸運なことに今誰もいない。

私の後輩も先輩も部長も今は、会合や研修などで誰もいないのである。まあ、私はそういうものが何もなかったので一人なのである。


別に1人が悲しいとか寂しいとかそんなことは思わない。私はびっくりするほど人に興味がなく、友達を作ったりするのも、まず、自分にもたらす利益をすぐ考える。"本当に最低な人間"なのである。


だが、それも今始まった出来事ではない。

ちなみに、幼い頃は今の時と打って変わって

人に興味しかなく、どんな性格・どんな雰囲気のこなんだろう?と常日頃関わっていたが、あることがきっかけで人への興味はからっきしなくなった。


それは、ある男子生徒が

「お前いい気になってんなよ?お前なんかに本気で友達になってるやつなんているわけないだろ!?

マジでうざい、耳障り、消えろ!」

と言われたことである。


正直これには言い過ぎではないかと先生や私の友人。そして、私をいじめてくるやつらまで反応した

本当にそれくらいの内容だった。言われたこの言葉は、その一部でしかなく、それ以上話したくもないし性格上誰にも言いたくなかったのだ。


まあ、それでも私はしっかり生きていこう!

と思って生きていたつもりだった。だが、精神面のダメージは抉く、正直生きたくないと思わされるほどだった。だが、そのように苦しんでいることを悟られないよう自分の感情を心のなかに無理やり押し殺した。そのせいで、このような人間に成り代わったことなど言わずとも分かるだろう。


だが…

私には精神面を復活させるアイテムがある。

それは、各アニメの聖女関連のものである。

私はアニメの聖女が大好きなため、グッズなどはもちろん本なども全巻揃えるなどの徹底ぶりである。

そして、自分の玄関や本棚を好きなもので埋め尽くす幸福感。それがたまらなく愛おしく週に一度は必ずなにかしら購入をしている。それに、今日はグッズを買いに行く日なので、今から超特急で行かなければならない。ちなみに、発売されるのは私が最も大好きなアニメの聖女のクッションである。

こんなのなんて欲しいに決まってる。値段は9000円で、皆が言うには高いらしいが私にとっては何ともない。それよりも、1番に迎え入れたい!毎日この子と一緒に過ごしていきたいと思い、気づけば会社を飛び出し、この信号機を通ればお店に着く。

はずだった…

青信号で、私は渡った。けれど、信号が青でもお構い無しにトラックが突っ込んでくる。そして、事故に誰かしら遭うんじゃないかと思ったら案の定私は引かれた。実際のところ、別の人が事故に遭うのを私が防いだのだ。少しは人間らしいことができただろうか?と思っているといろんな声が聞こえた。

けれど、その中には罵倒の声や批判の声はなく、称賛の声が鳴り響いた。けれど、中には心配してくれている人もいて、最後人間として死ねたんだなと実感する。けれど、その数秒後私は深い眠りにつく



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