東京CJ調査室 旧調査室編01『騎士の誇り』

NOFKI&NOFU

第01話 東京CJ調査室

アヤ:

東京の空にそびえる汐崎グループのビルは、まるで現代のガラス神殿だ。ビルに全体には防弾ガラス、強化ガラスが張り巡らされている。その中に、私、柊アヤが働く東京CJ調査室がある。表向きは日本最大手の警備会社であり総合調査会社である。ここは、単なる企業の枠を超えた存在感を放っている。


それは、日本最大手という揺るぎない地位を築いた警備員派遣事業と、あらゆる事象を網羅する総合調査部門の賜物だ。地質調査で大地の奥深くを探り、統計調査で社会の脈動を読み解き、そして興信所部門が人々の日常に潜む秘密を解き明かす。その事業の多様性は、まるで巨大な蜘蛛の巣のように、この国の隅々にまで張り巡らされている。


この巨大な組織を裏で支えているのは、新興ながらも既に金融界で絶大な影響力を持つ巨大コンツェルン、汐崎グループだ。その潤沢な資金と強力な後ろ盾を背景に、東京CJ調査室は全国展開という壮大な目標を掲げ、着々とその歩みを進めている。


そして、この組織の中枢には、外部の人間には決してその全貌が明かされることのない特殊な部署が存在する。それが、「例の奴ら」※、すなわち人知を超えた何かや、古の存在の事象を専門に調査する**「特殊課」**だ。


民間企業でありながら、その活動は政府や官僚と深く結びついている。表向きは施設の警備や合法的な献金という形で関係を築きながら、実際は公には決して行えない、闇に隠された調査を代行しているのだ。彼らは、人間社会の安定という大義名分のもと、深淵の真実を独占し、それを秘密裏に管理している。その存在は、この調査室のもう一つの顔であり、最も危険で、そして最も重要な核心部分なのだ。


(※件の奴ら=神話生物やクトゥルフ神話関連)

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