1万8千円では賄えない動物

1万8千円の箱の中の世界を。

ご存知でしょうか。

お風呂は何をするところですか？

くぐもった彼女の声を伺うところなのです。

トイレは何をするところですか？

壁越しに彼女の話を聞くところなのです。

そうなんです。

声は届くところであれば何処でもいいのです。彼女は何処にでも存在できる。

そんな能力を持っているのかもしれません。

声はアンドロメダ銀河の先までも届くのです。

距離が近い所には波があっという間に届く。

多く聞くことになるそれだけのコトです。

努力はコツコツしましょう。

毎日2時間。

傾聴はコツがありましょう。

毎日2時間。

私はもしかして努力をしていたのでしょうか。

努力の暁に生まれた能力は何でしょうか。

彼女の超えた視点であれば、わかりましょうか。

私はもしや時間を浪費してたのでしょうか。

労力の果て、伺う苦悩は何故でしょうか。

彼女の超えた時点のあれは、わかりません。

姉は言います。予定があります。

弟は言います。距離があります。

私は答えます。かわいそうです。

正しさと冷酷さは勝ちました。

優しさを装った性は歪みました。

今の彼らと私です。

恨んでなどいません。憧れているのです。

かわいそう？馬鹿ですね。

カワウソの方が良いですよ。

カワイイですよ。

変わらない愛らしさです。

変わってみたいです。

言葉が通じ合えない彼らに。

彼らは1万8千円では買えないそうです。

そうですか。

四角い箱ならあるんですけどね。

お風呂にトイレもあります。

快適に過ごせそうですけどね。

お金が必要なんですね。

あぁこれは失敬、アイがありませんでした。

1番初めに、それが必要ですね。

お金より愛。お金よりI。お金より安慰。

アイアイ、サルにでもなれたらいいのに。

言葉の周波数が違えばアンドロメダ銀河にさえ

分子さえ素粒子さえ届かないのでしょうから。

ですが、中指が非常に長い彼らになったら

それはそれで危ないでしょう。

1万8千円の箱の中に、歪んだ性と共には

納められそうにありませんから。