第3話 モニカとおえかき
自室に戻ってきたモニカがごそごそと何かを探しています。
「お
「あれがないのでつ!」
「アレ?」
「あれでつ! あれ!」
「あれでは分からんがな」
「もう! ケルス、あれなのでつ! わかんないでつか!」
「分からへんて」
「おえかき!」
「は?」
「えーと、おえかきのときの! いっぱいいろのあるやつでつ! ねえたまにもらった!」
「ああ、クレヨンかいな」
「そうでつ! モニカ、おえかきしたいのに!」
お尻がしゃべってる。
「ちゃんと片づけとかへんからなくすんや」
「ようせいたんがどっかやったのでちっ!」
「お嬢が自分でちゃんと片づけといたら、妖精さんも隠さへんのちゃうん?」
「むぅ……」
テテテと、駆けてくるモニカ。
「ケルス、いじわるでちっ!」
「そういうたかてなあ……。まあ、だいたい分かるけどな」
「どこでつか! ケルスはなんでもおみとおしなのでつ!」
「うん? まあ、たぶん……」
ケルス、机の引き出しを器用に口で開ける。
「ほら、ここや」
「あったのでつ!」
「妖精さん、ちゃんとお嬢が使いやすいところにしもてくれたはんねん」
「ようせいたん、ありがとう、なのでつ!」
「そういうのはちゃんといえねんなあ」
モニカ、次は紙を取り出す。
「それに描くん?」
「あい!」
「なに描くんや」
「ケルスでつ!」
「ワイ? なんで?」
「とおたま、かいてもらってまちた!」
胸を張り、力説のモニカ。
「
「ちょうちょうが? ちょうちょ、とんでまてん」
「そやのうて、肖像画」
「だから、ちょうじょうが? おやまでつか?」
「それは頂上、確かに山のてっぺんやけど。……て、ああ、もうええわ! ともかく、オトン、自分を描いてもらってたんやろ」
「そうでつ! ええかっこしてまちた!」
「ハハハ。そやな、ポーズ取るもんな」
「モニカも! いっちょにかいてもらいまちた」
「そりゃよかった」
「とおたまみたいにおすまちしたら、みんなにかわいい、かわいい、いわれまちた」
「そやな、お嬢はみんなのアイドルやもんな」
デヘヘと、照れ笑いのモニカ。
「だから、ケルスもかいてあげるのでつ!」
「そこが分からへんのやけど?」
「ケルスもかわいいのでつ! ケルスのかわいいをモニカがかいて、みんなにみせるのでつ!」
「ああ、まあ、そういうこと」
ちょっと照れるケルス。
「うごかないでくだたい」
「はいはい」
熱心にケルスを描くモニカ。
「できたのでつ!」
「お、どれどれ……」
「ケルス、かわいいでつ!」
「うん? まあ、なんや? 白い毛玉やなあ。それは分かるわ」
「ケルス、おめめみえないのでつ!」
「そりゃまあ、隠しとるからな」
「おっきな、まっかなおめめ、だしてもかわいいのでつ!」
「うーん……。ワイ、目つき悪いし、見せると怖い、いう人もいるからなあ」
「ケルスはこわくないのでつ!」
「おおきに」
「ちゃんとかわいくかきまちた!」
「そやな。じょうず、じょうず」
「じゃあ、これ、みんなにみせるので!」
「はいはい。……さて、分かる人いるんかいな」
「なんかいいまちた?」
「なぁんも。……ま、お嬢の絵ならみんなほめてくれるわ」
「いくのでつ! ケルス!!」
「はいはい」
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