日常の栞

新川山羊之介

俳句12集


わたあめとドウダンツツジ船を漕ぐ

 

木漏れ日に青が眩むよいぬふぐり


さえずりにイヤホン外し空仰ぐ


切に摘む勿忘草わすれなぐさを君のため




昼暗し吹き乱れるは藤の花


陽光が照らす水鞠みずまり若楓わかかえで


三角形二人探して星涼し




風車金木犀きんもくせいに包まれり


朝嵐連れてきたのは露草か




初霜に曙光の差して万華鏡


あの日々の欠片を置いて行く年よ


菓子食べて鳩に紛れる都鳥みやこどり


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