第18話
二人でランドセルを持って階段を下りていく。
「そういえば、どうだったの? 昴琉と仲戻れた?」
「全然だよー。思うようにしゃべれなくて」
昴琉の前ではどうやったって緊張しちゃってしょうがない。
海斗くんとなら、たくさん話せるんだけどなあ。
そんな私を見て海斗くんはなぜかちょっと笑っている。
「そっかー。ま、急がなくてもいいんじゃない?」
「それはそうだけど」
なおもうつむく私の肩を海斗くんはポンッとたたく。
「大丈夫! 僕もいるんだし」
ねっ、と聞かれて私は思わず微笑んだ。
海斗くんはいい人だな。私をまっすぐ応援してくれるなんて。
海斗くんは不思議だってみんなから言われてるみたいだけど、全然そんなことない。
すっごく優しい男の子だ。
「あ、うわさをすれば昴琉じゃない?」
海斗くんが向いたほうを見ると、靴箱の陰にとがった髪の毛が見える。
ま、待たせちゃってたかな!
「ごめん、海斗くん。私もう行くね! 用があって!」
「うん。りょうかーい」
私は海斗くんに手を振って昴琉のほうにかけていく。
昴琉は私を見るなり「やっと来た」とぼやいた。
「ご、ごめんねっ」
ちょっと前から昴琉はもうついていたみたいだ。
ポラリーが私の目の前まで飛んできた。
「全員揃いましたね! さっそく始めましょうか!」
「今はどこにいるのかわかるの?」
「うーん、気配がするのは建物の裏ですね。でもさっきから動き回っています」
「とりあえず、行ってみるか」
靴を履き替えて校舎の裏にみんなで向かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます