森がささやく



深い暗闇

暗闇を脱ぎ捨て


朝の日差しに

森はその色を取り戻しはじめる


のんちゃんは


厳かなる冬も

天使の飛び回る春も

熱をすべて持ち寄り

あつめたかのような


そして 今

夏の暑さを 拭う

だんだんと ゆっくりと

色とりどりに美しさを

増してゆく


秋の物静かな

やさしさを


のんちゃんはとてもすきだった


近くの葉っぱが 色づきはじめる

それを毎年

楽しみにしている


赤とんぼ がチラホラ

飛び始めたころ


のんちゃんは入院した


いつもの踊り場

窓越しののんちゃんを

楽しみにしていた

美しい森は

寂しさに耐えきれず

泣いていた


森が忍びなく


のんちゃんがはやく

帰ってきますように


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