第3話 3
大体4人でいることが多い私と女子の仲間たち。
がしかし、たまに別行動の時もある。
このあとは、学科の校舎までの移動時間と
夕飯の時間
その学科の授業は、AとBクラスの合同の
英語の時間だった。
実技が終わった後、友美と明美は、
なんか、先生に質問することがあるとかで、
私と貴子は、先に夕飯を食べることにした。
食べ終わったあと、なんでだか貴子は、
前に座った男子達と話し始めてしまって、
あたしは、ボゥっと英語のプリントを見ていた。
伊坂が、後ろを向いて言う。
「なんか、置いてけぼりくらったな。」
「え?あ。うん。そうだね。」
クスリと笑うと、伊坂も笑っている。
伊坂は手にCDを持っていた。
「それ、なんのCD?」
「ん?これか。懐かしのアニメソング。」
「懐かしの。。へぇ。どんなの入ってるの?」
「ほれ。」
そう言って、見せてくれた。
そこには、懐かしのアニメソングの名前が
名を連ねている。
「すごいなあ。」
伊坂がツイツイと私を呼び寄せる。
ちょっぴりドキッとしながらも、
顔を近づけると、
「すごい趣味だよな。」
「そうだね~。でも懐かしいのもある。」
「ああ。そうだけどさ。」
クスクスと私が笑うと、伊坂は、
ニッと笑って、言った。
「ま。聴いてみるよ。笑い転げそうだけど。」
「それもいいんじゃない。」
「そうか。」
その時、ドアから、英語の先生が入ってきた。
「ほら。席につけ。」
「はーい。」
「授業、始めるぞ。」
みんな、バタバタと席についていく。
「まずは、小テストな。」
「先生。聞いてないよ!」
「ああ。抜き打ちだからな。」
「げ~。」
授業が終わると、外は真っ暗だった。
先生に質問があるという二人を置いて、
私は、もう一人の友人と駅まで歩いた。
その子とは、反対方向なので、
手を降って別れて、電車に乗る。
気づくと、側に、伊坂が居て、
話しかけてきた。
他愛もない話は続いて、新宿に
あっという間に着いた。
通路の端で止まって、話をする。
気づけば、30分以上も話していて、
二人で笑いあった。
「なんか、時間立つのあっと言う間だな。」
「うん。そうだね。そろそろ帰るよ。」
「そうだな。」
伊坂は、JRの改札口まで送ってくれた。
「ありがと。また明日ね。」
「ああ。明日な。」
手を降って、あたしは乗る電車の方向に
歩き出した。
いつの間にか、夏休みに入って、
私達は、青少年スポーツセンターで実技や
学科の授業を受けていた。
毎日毎日。
色々と荷物があって、すごい量なんだ。
2泊するぐらいの量なの。
家で何キロか測ったら、10キロあったよ。
すごいよね。
実技が終わって、次はまた、
AとBクラス合同の授業。
また、英語の授業だった。
私と貴子は、あんまりきかないエアコンの
近くの席を陣取って、下敷きで
パタパタとあおいでいた。
「人数が多いから今日は、暑くなりそうだね。」
「ああ。そうだな。」
私は、貴子に話しかけたつもり
だったんだけれど、
後ろの席から、かばんをドスンと置く音と
同時に、伊坂の声がふってきた。
「重そうなかばんだね。」
「ほんとに重いぞ。持ってみなよ。」
「じゃ。遠慮なく。」
私は、持ち上げようとしたが、持ち上がらなかった。
隣で、貴子がクスクスと笑っている。
「なによ。本当に重いんだから。」
「重いだろ~。」
「何入ってるの?」
「ん?シューズとかだな。」
「そっか。」
授業をしている先生が、言う。
「こらそこ。ちゃんと聞いとけよ。」
「はーい。」
その時、外では雷がなりだした。
英語の先生は雷が嫌いで有名である。
「鳴りだしたか~。」
「先生。大丈夫ですか?」
「俺は雷が嫌いだ。」
「みんな知ってますよ。」
「でもま。お前らの授業のほうが
大事だからな。進める。」
「はーい。先生頑張って。」
盛大に鳴り響く雷に、先生は
顔をひきつらせながら、
英語の授業をすすめていった。
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