-Section1 true end- 未来
光なきホームに黒き少女の選択を迫る
声がただ響く。
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俺はどうしたいのだろう?
どの選択肢も結局は虚しいだけだ。
たとえあの取締役を破滅させたとしても、
俺が辞めるかもしれないあの会社を潰しても。
仕事という生きがいを失った俺にとって
大して意味があるものとは思えなかった。
結局、もう全て捨てて楽になる事が救い
のように感じる。
それでも。
思った。あの栞という少女なら..
何か結論を出してくれるのではないかと。
もう一度会いたい。心からそう思った。
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「さあ、結論は決まったかい?
こちらも悩んでいるあんたの面は面白いが、
そろそろ飽きてきたのでな」
俺が自分の安らかな死を願おうとした時。
俺のポケットの”何か”が熱くなった。
それは本に挟むような栞だった。
なぜか煌びやかに光っている。
内容を見る。
「”いつまで誰かに迫られた選択に従うの?
未来をどうするか決めるのは君自身。
誰でもない。それだけは忘れないで。”」
可愛いウサギのようなマークもあった。
こんなことをするのは1人しかいない。
黒き少女が漸く異変に気づく。
「なんだ、それは?」
俺の”選択”は決まった。
「あんたには俺を家に帰してもらう。」
「そもそも選択を強いるという事はお前は
俺自身が選択することによって起こる何か
によって利益を得るんだろう?」
「あんたの思い通りにはしない。」
黒い少女の口調が少し速くなる。
「なぜ、辛い現実に帰る?
大方、その手に持っている何かに
影響されたんだろう。
お前は我が選択を強いていると言ったが、
お前自身もその何かに間接的に選択を
強いられているではないか。」
心なしか、その声は揺れているように思う。
「別に、この選択は俺のものだ。
お前に邪魔はさせない。」
俺はこう返した。
「また辛い現実に戻るとは愚かだな。
どうせ我の元にまた呼ばれる事になる。
家には返してやる。
せいぜい辛い現実に踠き苦しめ。」
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俺は前までいた駅に戻された。
電車を降りて、煙草を吸う。
煙草を吸うのも8年ぶりだ。
仕事を始めてから吸うのをやめていた。
不思議と誰もいなかった。
「まだ、俺は死にはしない。まだな。
あいつにこの栞を返すまでは..」
⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎⭐︎
私はこの間、彼に拒絶されてしまった。
ここは相手側が、拒絶すると一定期間
呼べなくなってしまう。
私が今回できた事といえば彼の寝ていた間に
栞を忍ばせ、遠隔で文字を浮かばせた事
くらい。
「でも、まあいいかな。」
「あの子は、とりあえずは大丈夫。」
「暫く私がいなくても..」
「栞を返しに来るんだっけ、楽しみだな。
その時はいっぱいまたお話しようね。」
「次の相談者は..きみかな?
私の名前は..」
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こんにちは。IFです。
ここまでの稚拙な文章を読んでいただき、大変ありがとうございました。
もし少しでもいいな..と思ってくださった
方がいらっしゃったら、
ブックマークと⭐︎の評価をお願いします。
なお、この物語は章毎に続く予定です。
会社員編は一区切りですが、
これからも栞とそれを巡る人々の話は
続きます。
読んでくれてありがとう。
(追伸)
この物語のAエンディング/Bエンディングに
ついては敢えて結末を明示していません。
この後のストーリーの伏線になるかも,,
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