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あの夜の短歌

あの夜の短歌

哀原深

おすすめレビュー

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★★★
★1
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本文ありのおすすめレビュー

  • 短歌批評戦士
    8件の
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    ★ Good!

    揺蕩うような言葉

    「湯船が揺れるのを見ていた」「そっと沈んでしまいたかった」という短歌は、非常に深い感情の動きを描いている。最初の「湯船が揺れるのを見ていた」という表現から、外的な事象(湯船の揺れ)が内面的な動揺を象徴していることが分かる。湯船は通常、リラックスできる場所であるが、その揺れを見ている自分が、逆に心の不安定さや不安を感じているというのは、強い対比を生んでいる。ここでは、物理的な揺れが感情的な揺れを象徴しており、視覚と感情が巧みに結びついている。「そっと沈んでしまいたかった」の部分が、沈むことの意味やその理由がやや抽象的に終わっているので、もう少しその欲望の背後にあるものを描き加えると、さらに説得力が増すだろうと思う。

    • 2025年8月23日 15:57