TSした男はVtuberに恋を抱くのか
葉桜 紫呉
第1話 始まり
いつも通りの退屈な朝だった。
俺はただ、寝坊しないように急いで学校に行くだけのつもりだった――あの日までは。
ある高校の入学式の2週間前のこと
俺はいつもの時間に起きて朝飯を作りにリビングに降りた。
今日はハムエッグとトーストでいっか
そんなことを考えている時上から物音がした。妹が起きたらしい。
「ふぁあ、おはよ〜 お兄ちゃん。」
眠そうな目を擦りながらそう言った。
「お前昨日も夜遅くまで配信してただろ。だから早く起きれないんだぞ。」
「うるさいな、良いの。春休み何だから。」
「てかお兄ちゃんも昨日スパチャ投げなかった?居た気がするんだけど。」
「気のせいだ。」
「ん?あれ見間違いかな。お兄ちゃんがお姉ちゃんになってるように見えるんだけど。」
「そんなわけないだろ!」
「じゃあこれを見てもそんなことは言える?」
そう言われて妹が撮った写真を見るとそこには、綺麗な女性が映っていた。
「なんじゃこりゃ〜!!」
そう言う俺を横目に妹は笑いながらこう言った。
「こんななりじゃお兄ちゃんの知り合いが通ってる高校には行けないね。お兄ちゃんみんなに名門高校に受かったって言いふらしてたもんね。」
「言いふらした件についてはどうでもいいんだけどどうしよう。俺はこんな謎現象のせいで高校通えなくなるのか……」
「一応お母さんにも聞いて見る?」
「そうしてくれ……」
────♪「はい、もしもし、どうかしたの?」
「お兄ちゃんがなんか今日朝起きたら女の子になってた!」
「???」
「だから今行ける高校に通えなくなっちゃったから、お母さんの経営してる高校に入れてくれないかな〜って。」
「良いわよ。」
「即決w」
「でもどうやって転入するの?お兄ちゃん戸籍上は男なんだよ?」
「簡単なことじゃない。区役所に事情を説明したら変えられるから、大丈夫よ。」
「分かった。お兄ちゃんにも言っておくね。」
───♪
「お母さんが転入出来る様に手配しとくって。」
「あと、戸籍変更も同じ時期に行うから下の名前を決めといてって。」
まずい、俺が理解出来ないまま状況がどんどん進んでいく。
「つまり俺は下の名前を考えれば良いんだな。」
「そういう事、飯は私の部屋で食べるから持って来てね。」
急ではあるが、簡潔に雨宮家の家族を説明しよう
家は雨宮という苗字のまぁちょっとした金持ちだ。
父は外交官の為家に3年に1回ぐらいしか帰って来ない。
母は経営者で夕玲高校という女子高を経営していて、忙しいため俺らとは別の家で生活している。後、何故か政府にコネがあるらしい。
妹は雨宮夏希 俺の自慢の妹である有名なVTuber事務所に所属しているライバーだ。
結構有名でもうそろそろ登録者100万人になりそうな勢いだ。
そして俺がいる。まぁただのちょっとオタクな一般人ってとこだな。まぁ家族がキャラが濃いだけなのだか。
「お待たせ、ほら暖かい内に食べなよ。」
そう言ってお盆を妹に手渡す。
「ありがとね。そろそろ配信が始まるから出てってね。」
「しっかり噛んで食べろよ!」
妹の部屋から出たあと、俺は悩んでいた。名前が決まらないからだ。
「どうしよ、もう適当に決めるか。」
その時、時計は8時40分を指していた。
「よし、名前は
「あとでお母さんに言って起こう。」
「ん?やべ、洗濯物しなくちゃ。」
そう言って急いでリビングに戻った時突然尿意が来た。
「ぅぐっ……尿意が」
そう言ってトイレに駆け込んだ。
「あれこれってどうやって小便したら良いんだ?」
「あっ、やべっ」
そう思った瞬間もう漏れていた。
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙」
「もういいや、このまま洗濯機回しに行こ。」
30分後
「ふぅやっと家事全般終わったぞ。」
そう言った時ちょうど妹の部屋のドアが開いた。
「もう配信は終わったのか?」
「うん、終わったから今下に降りてきたの。」
そう言って、台所にお盆を置いた。
「お兄ちゃんはそのなり何だから私が所属してるVTuber事務所の3期生のオーディション受けてみたら?どうせ部活にも入んないんだから暇でしょ。」
「まぁ暇っちゃ暇だか……」
「だからといってそう簡単に受かるわけ」
────♪
「田中さん、私の姉が事務所に入りたいって言っているので入れて貰えないでしょうか」
「え、まぁ良いですけど。」
「その代わり面接は受けて貰いますよ。」
「分かりました。ありがとうございます。」
────♪
「お兄ちゃん!面接に受かったら入れてくれるって!」
「そんな簡単に許可って出るもんなのか」
「私がお兄ちゃんのことを事務所に元々伝えていたからね!」
「勝手に人の個人情報をバラさないでくれない」
「それについてはごめん。」
「日程は戸籍変更の後で良いよね。」
「うん、そうしてくれ……」
そう言った後俺は自分の部屋に歩いて行った。
「はぁ、俺の服全部着れなくなったじゃないか。」
「昨日新しい服買いに行ったのに…」
そこから少し後妹が外着に着替えて俺の部屋に来た。
「服買いに行こ!」
「なんでお前はそんなにワクワクしてるんだよ。」
「いやー、お兄ちゃんのスリーサイズが気になっちゃって」
「そんな気にしなくて良いだろ。」
「は?」
「女にとって一番大事なんですけど〜」
「それのせいで中学生の時私は一人だけ大きさが小さくて辱めを受けたのになんでそんなにお兄ちゃんはカップが大きいのか私は納得出来ねえんだよ。」
「ほらいいからさっさと支度しな」
そう言われて無理やり連れで来られた場所は、家の近くにあるショピングモールだった。
「行きたくなかったのに……」
「うるせぇ、さっさと来い!」
歩かされ着いた場所は女物の服屋だった。
ちなみに俺は何回か妹に行かされている。
「よし、私が全額奢るから好きな服を買って良いよ」
「サイズを測ってからね」
そう言われて定員さんにサイズを測ってもらった。
「うわっ、私よりもサイズがデカイだと!」
「それは、家でも言ってただろ。」
「じゃ、パッパと服を買いますか!」
「おい、話を逸らすな」
結局服を10着ぐらい買ってもらった。結構いい値段がしたが妹は「いつも家事してもらってるから、その代金ね。といって全額出してくれた。」
それから3日後
戸籍の変更は事情を説明したらすぐ完了した。
なんでこんなに簡単に変更出来たかは謎だか、家の母さんのことだ、あまり深く考えないことにしよう。
それのついでに転入手続きが完了し、オーディションの日が決まり、立ち絵を作る可能性を踏まえて明日になった。
俺の人生、この数日で代わり過ぎじゃないかと思ったが考えては負けの為考えないことにしよう。
そして翌日、俺は東京都にある事務所の前に来ていた。
この会社は何個か支部が有り、月に1回はマネージャーと会って企画会議をするらしい。今日は本社が家から一番近いため本社に来ている。
時間になったため、俺は面接場にノックして入った。
「今日は、よろしくお願いします。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます