島国日本の何処かにある、鄙びた漁村。
あまり名を知られない神様のお祭りが近く
行われるという。
蛸の様な容姿が伝わる神。
日本神話と外つ國より罷り越した
旧い神話。閉鎖的な漁村。
感の良い者はピンと来ると思うが、この
作品は端緒から ソレ を明示している。
これは今も多くの人々の熱狂的支持を
得ている 闇の神話 をモチーフにして
書かれたものだ。
だが、この闇の神話を日本に持って来た
時に…酷く既視感を得る。それは作者の
持つ歴史的な知識が作品の背景を覆い
曖昧な 真実 を創り出すからに
他ならないだろう。
扠、この寂れた漁村の異形の神を奉る
お祭りに合わせて、主人公と恋人が
かの地を訪れる。
何が起きるのかは、分からない。
この不穏な胸の高まり。かの闇の神話を
知る者も、知らぬ者も。
体験しない手はないだろう。