かかしではない、″かがし″である。濁点を一つ付けただけで、日本の原風景をここまでおぞましい、しかしどこか懐かしい異界に変えてしまう。言霊使いの怪談師たる武江氏の真骨頂である。
まさしく″かがし″を起点に呪いが拡散していくかのように、人も風景もずるずると化けの皮を剥がされ、醜悪な姿を顕にしていく。立ち込める死臭、湧き出す魑魅魍魎、そして俗悪な本音。全てがずるむけになっていく。(※生理的嫌悪感を誘う描写が多いため閲覧注意)
それでも、この世界を「どこか美しい」と感じてしまったら……ご安心頂きたい。あなたは薄っぺらな虚飾こそが最も醜いと知っている、極めて正常な人間である。