未来嫁はロボット~お手伝いロボを嫁に改造したら、快適なんだが(ASMR)~

後藤 蒼乃

第1話 改造後の初起動

//SE 掃除機の音

//SE 電子音。掃除終了のメロディー


「あなた。お掃除終わりましたよ。お待たせしました」


「長く電源を入れてくださらないから、どこかに捨てられたのかと思ってました」


「私は、既に旧式ロボットの身。同時期に生産された仲間たちが続々と引退していることも知っています」


「ところどころ変色してきましたし、バッテリーの稼働時間も短くなってきました」


「幸い、機能に故障という故障はみられませんが……」


「鏡を見てみろ、ですって」


//SE 尻もちをつく音


「なっ! なんてことでしょう!」


「私のカラダが……。こんなことに……」


//SE ロボットがフリーズする音

//SE リセットボタンを押す音


(機械的な話し方で)

「No.37 データヨミコミ、カンリョウ。サイキドウシマス」


(甘えた感じで)

「あ・な・た。今日もお疲れサマ。ミーナ、寂しかったぁ」


「頭を撫でてください」


// 微笑


「先ほどは、ごめんなさい。新しいデータが上手く読み込めなくて、以前のモードで動いていたの。堅苦しいったらありゃしない」


「あなたの作った新しいデータ、いいわぁ。本当のワタシになれた気がする」


「このボディは、あなたの好みなの? 胸とお尻が、だいぶ膨らんだから、前の服がきついわぁ。新しいのを買ってね」


「え? もう買ってあるの? 気が利くう。さすが、あなたね」


「あそこにある、赤いリボンがかかった紙袋に入ってるの?」


//SE 足音

//SE 紙袋をガサゴソする音


「やったー!」


「ここでは、着替えませんよお。ワタシに、恥じらいの乙女の気持ち、プログラミングしたでしょ」


「隣の部屋で、着替えてくるね」


//SE 足音

//SE ドアの開閉音


「じゃーん。ジャストフィット。さすがね。あ・な・た」


// 微笑


「でもー。えんじ色のジャージって、微妙じゃないですか?」


「え? ダサカッコイイが、いいの? もっときれいな色たくさんあると思うのに……」


「そうなんだぁ……」


//SE エラーの音


(機械的な話し方で)

「リカイデキマセン。リカイデキマセン」


//SE ロボットを揺さぶる音


「うわぁ! 我に返ったぁ」


「もう、扱いが荒いんだからぁ」


「……動きやすいし、まあいっか。新しい服、ありがとう」


//SE ブザー音


(機械的な話し方で)

「オモイデノ、アルバムニ、セツゾクシマシタ。ハツコイノカノジョ、タイイクサイ、エンジノジャージ。イッチシマシタ」


(甘えた声で)

「あ・な・た。懐かしいわね。二人で二人三脚したこと覚えてる? 一緒に転んでしまって、最下位になったわね」


// 微笑

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