第5話 第2回債権者集会

 第1回債権者集会が開催されてから5カ月後、同じ東京都目黒区の「東京地方裁判所中目黒庁舎(ビジネス・コート)」で第2回目となる債権者集会が開かれました。

 2回目は1回目と比べると債権者の数が少なくなっていました。

 1回目の集会の実りの無さで2回目に来るのがバカバカしくなった方もいたのかもしれません。


 この第2回目……色々と新事実が発覚します。

 詳しく書くことは出来ませんが、投資先のその会社は収益が急速に悪化したそうで、新顧客からの投資でつのった資金を既存きぞんの顧客への配当に回す「自転車操業」が常態化していたそうです。

 そして顧客に説明していた投資金による商品購入も実際には行われていなかったという事実が発覚しました。

 かなり無理のあるビジネスモデルだったそうです。


 色々と事情はありますが、結果として亡き父の投資は失敗に終わりました。

 戻ってこない金額はちょっと詳しくは言えませんが、自分の年収よりも多い金額でした。

 そしてこの第2回の債権者集会時には倒産した投資先企業に残された資産の総額が判明していました。

 その総資産額を債権者数百名の数で割ると……戻ってくる金額は投資額のわずか1%ほどでした(涙)。

 仮に1,000万円を投資していたとしたら10万円ほどしか戻ってこないことになります。


 そしてこの第2回の債権者集会をもって、本件で債権者が集まる会は終了となります。

 この後は案分した払い戻し金を受け取って終了するか、個別に訴訟そしょうするかという流れになります。

 集会が終わった後、何名かの債権者の方たちが集まって集団訴訟そしょうを行うかどうかを話し合っていました。

 しかしうちの家族は話し合いの末に、訴訟そしょうにはのぞまないことを決めました。

 形としては泣き寝入りです。


 これにはいくつか理由があります。

 まず、訴訟そしょうをしても資金が戻ってくる可能性は限りなく低く、労力と時間が非常にかかることを母が嫌いました。

 そして僕自身も仕事があり普段の生活の中で訴訟そしょうく時間と労力を捻出するのが難しかったこともあります。

 さらには亡き父が仕事で得た利益の中から行っていた投資であるため、この資金が戻ってこないからといって遺族である我々家族が借金を負うようなことは無いという事情もありました。


 要するに戻ってくるかどうか分からない資金のために今後の時間と労力をくよりも、忘れて過ごしたほうがいいという判断です。

 損切りの泣き寝入りという形になりますが、仕方ありません。


 以上が、騒動の顛末てんまつでございました。

 その後、投資先会社の元社長がどうなったのか、集団訴訟そしょうなどが行われたのかなどは知りません。

 投資というのはこういうこともあるのだという人生の教訓を僕は得て、騒動は幕引きとなりました。

 皆さんも投資をされる際は、こういうリスクがあるのだということを念頭に置いて慎重にされることをおすすめいたします。


 最後までお読みいただきまして、ありがとうございました。

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投資先の会社が倒産したので債権者集会に参加してみた 枕崎 純之助 @JYSY

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