第34話 ①トマトとニンニク

 赤くなるトマトとニンニクの組み合わせは絶妙なうまさで、パスタに限らず、料理に適していることがだんだんわかってきた。

 それに、わりと適当な土地に植えても育つ。もう、姉のイザベラの土地開発力はすごく、トマト畑がどんどん拡張されていった。


〇×△


 本国にあるある貴族から、アールグレイの製造元であるイザベラのところに、お茶会の誘いが来た。どうも、紅茶の品評会をたびたび開いている貴族らしい。そういうところに参加したこともないけど、よい経験だと思い、マルコやシーちゃんを伴って参加することにした。

 東の海岸から船で本国にわたり、あとは馬車を使う。2日で到着できた。

 こぎれいなドレスで参加したが、まー、華やかさに圧倒されるだけで、広い庭の端っこで、三人はたむろしていた。


「あなたのところで、このアールグレイ紅茶をつくっているの?」

と話しかけてくれる人もいる。

「はい、この子の親の農園で作るベルガモットを使うと、こんなに香り高い紅茶ができるんです」

「わたし、でも、ちょっと香りがきつくてあまりたしまないの」

「では、ミルクを入れると、きっと飲みやすくなりますわ」

と、会話は弾む。


〇×△


 お昼ごろになり、立食形式で、各自、自分の皿に料理を取って、食べる。

「最近、トマトパスタというのを知りましてよ」

と、主催者がそう言って、赤いパスタをとりあげ、

「注意しないと、赤いトマトが飛び散るので、こうやってホークでくるくるっと、回すんです」

と実演したら、まわりの客もトマトパスタをとりに行った。

 マルコは、

「トマト増産しなくっちゃね」

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