第3話 コロナからだ
スーパーでカートからトイレットペーパーを落として
気づかず歩いていると
「トイレットペーパー落としましたよ〜」
とご婦人に教えていただいた。
ご親切にも拾って渡してくださったご婦人は
私のカートを見て
「あら、こんなビールがあるの?」
と糖質ゼロのPSB6巻パックを指差した。
もちろん500mlのほう。
「ごめんなさいね人様のカゴを見たりして」
そうかも?と思ったが
トイレットペーパーを拾ってもらっているので
「いえいえ、糖質0ですが美味しいと
私は思っていますよ。他より少し安いですし」
と教えた。
「主人がモルツを飲むのだけど
安いビールを探しているの」
とおっしゃるので
モルツ…プレミアムモルツか?!
「モルツを飲んでらっしゃるのだと
少し物足りなく感じるかもしれませんね」
この辺りでこのご婦人、
どこまで私についてきて
どこまで深く聞いてくるのだろう?という気持ちになる。
婦人「そうなの、発泡酒は嫌がるしね」
私「そうですよね〜。これはビールなんですよ」
一度お試しあれ〜では失礼します〜
という感じで話は終わった。
コロナ以降知らない人との他愛ない会話が
楽しい、と思うようになった。
おしゃべりに飢えているようで
ほどほどに親しい人に会った時でも
物凄く距離を縮めて話してしまい
親しみの距離感がおかしくなったなと
自分でも感じていた。
こんな会話、コロナ前は当たり前にあった…んだったっけ?
そもそもご婦人に気軽に話しかけられるほど
私も歳を取り、話しやすいおばちゃんになったという事か。
颯爽と歩いてないし。
歩みの速度はもうおばちゃんというか
おばあちゃんだ。
その後店内でご婦人が店員さんに何か尋ねておられた。
ご婦人もおしゃべりが好きなのですね。
ご婦人とおしゃべりしながら
店内の美味しいものを教えたり教えられたりする
パートがあればいいのに。
宇宙の中のちっぽけなぽ @usaginoyu
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